今月20日に松本市上高地で撮影された映像。サルが、生きた魚を捕まえて食べています。専門家によると、こうした生態を夏場に捉えたのは世界初だということです。
■映像を撮影した山口浩一さん
「本当に食べていると思ってびっくりしましたね」
今月20日の朝、松本市上高地を流れる梓川。そこにいたのは、サルです。
■映像を撮影した山口浩一さん
「大体この辺りで(普段は)水深40㎝~50㎝の川。干上がりそうになっちゃって、水たまり状になっていた所でサルが一生懸命イワナを捕まえて…」
サルは、捕まえた魚を食べていました。この映像について、チンパンジーやニホンザルの生態を研究する専門家は…
■信州大学理学部・松本卓也 助教
「世界で初めてなのは確か。大発見なのは間違いないです」
「水位が下がってイワナが捕れる状態だったら、夏でも捕るんだということが世界で初めて分かった」
こちらは、信州大学・松本卓也助教の研究室が今年2月に上高地で撮影した映像。雪の上を歩くサル…向かった先は水たまりです。石をひっくり返すなどして何かを探しています。
そして…
捕まえたのは、川魚でした。
■信州大学理学部・松本卓也助教
「冬の寒い厳しい環境を乗り切るために、魚を捕って食べることが重要じゃないかと考えていたんですけど、夏場も捕るということは、もっと魚を捕って食べることの意義が大きいのかもしれないと、今回の動画を見て思った」
(Q先生たちの謎をより深めてしまった?)
「正にそうですね(笑)」
では、サルが魚を捕食する意義、として考えられることとは?
■信州大学理学部・松本卓也助教
(Qおやつみたいな?)
「ん~…そうですね… もちろん毒があるような植物だったりもあるので、新しいものを食べるってなかなかないんですよね」
(Q遊び感覚で捕っている可能性もあるんですか?)
「おっしゃるように遊び感覚で子どもがちょっと捕ってみるとかは考えられるかなと思います。もしかしたらそこから『おいしい』と思うのかは分かりませんけど、これは栄養になるということで段々と他のニホンザルにも広まっていったことがあったかもしれない」
今回の映像を受け、松本助教は、サルがどのくらい成長したら魚を捕食するようになるのか、研究する必要が出てきたと話していました。