仲村宗悟が3rdツアー追加公演を開催!「また次、新しい遊びを用意して待ってるから、一緒に遊びましょう!」

声優、そして実力派シンガー・ソングライターの仲村宗悟が、今年5~6月に行った東名阪ツアー「SHUGO NAKAMURA 3rd LIVE TOUR ~NOISE~」の追加公演を、9月16日に東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催した。2021年からコロナ禍でのライブハウスツアーを重ねてきた彼にとっては、これが初のホールワンマンライブだ。

3rdツアーにして初めて、全員で思いきり声を出すことができた記念すべきツアーの最終公演は、最初から最後まで、仲村とファンの熱い思いが風のように吹き抜け、鮮やかな記憶を刻む“awesome”なステージとなった。

この日は、幕開けからクライマックスだった。仲村とファンの“声が合わさり、いいNOISEを作りたい”という希望を込めて付けられたツアータイトル。仲村のデビュー時からサウンド・プロデュースを務めるバンドマスターでキーボーディストの村山☆潤が率いる手練れのバンドの後ろには、そのNOISEロゴの電飾がギラギラと光を放つ。ノイジーなBGMが流れ、野生のチーターのようにステージに駆け込んできた仲村が、お立ち台にひらりと飛び乗る。大歓声を浴びて「拳かかげて」と楽曲「fist of hope」の最初の一節をパワフルに歌い叫ぶと、いくつものファイアーボールが吹き上がり、ファンキーな「Oh No!!」へと熱をつなげる。ライブハウスツアー本編にはないショーアップされた演出は、ホールワンマンだからこそ。“思い切りぶち上がるんだ!”という強い思いが、オープニングから爆発する。

1stツアーから “ライブは遊び場”だとずっと伝え続けてきた仲村。約3カ月前のNOISEツアー本編とはガラリと変わったセットリスト、そして仲村の伸びやかな歌声、軽快にグルーブするパフォーマンスは、彼が築いてきた楽しい“遊び”がますますスケールアップしたことを証明していた。

「一緒に歌って!」の仲村の声に大合唱が起こったデビュー曲「Here comes The SUN」、オーディエンスが奇麗にワイパーを重ねた「かたちにして」と続き、スウィングする「あなたのこと」では、仲村が手拍子をあおりながらステージからファンの目の前に降りていくハプニングも。楽しそうな“遊び”を我慢せず、すぐアクションしてしまうのも、彼のライブの魅力だ。

MCでは、観客へ「『どっから来たの?』をやりたいんだよね!」と宣言し、北は北海道から南は沖縄まで全国各地から渋谷に集まってくれたことを確認。「こんなさまざまな場所から来てくれたら、横並びの人も後ろの人もみんな友達」だと温かな声を掛ける。

明るく元気に、いつもみんなを笑顔にしてくれる“声優・仲村宗悟”のパブリックイメージとは、全く違う表情が見られるのもライブならではの楽しみだ。それが一番発揮されたのが、「次はしっとりとした感じで」と告げて始まったサードブロックだった。ツアー本編から舞台セットとして置かれていた木のベンチに寝そべりながら、セクシーさを漂わせた「チョコレート」。テレキャスターを手に夜のムードを届けた「いっせーのせ」と、ジャジーでノワールなムードをかもした「てこと」。エレキギターの弾き語りから始まり、切なさが胸を刺した「水槽の花」。描かれる心のひだを、豊かな表現力で描き出す仲村の歌声に酔わされる。

そしてこの日、会場入りした時に見掛けたファンたちのライブを楽しみにしているワクワクした顔がうれしかったと言い、夢である「(地元の)沖縄でライブできるよう頑張りますから、皆さんもぜひついてきてください」と語る仲村に、拍手が沸いた。

次のブロックは、さらにオーディエンスを魂の深淵へと誘う。青いライトに照らされて静かな雨音から始まった「Rain forecast」。美しいピアノとミラーボールから放たれる幾本もの光の槍(やり)が、深い痛みをあらわにしていく「壊れた世界の秒針は」。空気は限りなく純度を高め、張り詰めていくバンドの音に乗せて、胸の奥からのもがき、苦しみ、嘆きを吐き出す仲村。壮大なサウンドスケープ、壮大なライティングと一体になった彼の雄々しくも繊細な歌声が、渦を巻きながら流れ出していった。

「熱いコーナーでした」と笑顔を見せて、重くシリアスな雰囲気をいなすように、続くブロックで仲村とバンドは熱くロックする。エフェクタブルなボーカルが効いたアグレッシブな「わかってちょうだいね」、青春パンクの香りがする軽やかな「Freedom」。汗をかきながら「すげーぜ、みんな!」「やっぱライブ楽しいわ!」とパワフルなサウンドに食らいついてくる観客に喜ぶ仲村。「じゃあ次は、存分にカッコつけるから。みんなも俺がカッコいいと思いながら見てよ!」と笑い、アッパーチューンをたたき込む。

グルービーな「imitation」、「俺たちはまだまだ夢の途中、これからもアップデートし続けようぜ!」と叫んで歌声を求めた「JUMP」、前向きなメッセージをスタイリッシュなサウンドに乗せた「WINNER」。聴いているだけでポジティブな気持ちになれるポップチューンを、真っすぐに届けてくれるのも、“仲村宗悟”というアーティストのもう一つの顔だ。

歌手を目指した過去、声優&アーティストとしての今。紆余曲折(うよきょくせつ)あった自分を振り返り、「10年で景色はこんなに変わるんだな」と感慨深い表情に。道を真っすぐ歩めなくても、やったことは絶対に人生の糧になるんだと、真摯(しんし)な言葉を紡ぐ。そして「僕が原点に帰るための大切な曲」と歌われたのは「ゆらゆら」。思いをぶつける歌声に、ファンの思いが寄り添った。

アンコールでは、「NOISE」ツアー中、各会場で未完成のまま披露してきた新曲「NOTE」を、ついにフルバンドの完成形で初披露。自分にとって大事なものを記したというこの曲は、公演終了後、早速オフィシャルYouTubeチャンネルではライブ映像が、そして音楽配信サービスでは音源が公開に。さらに、待望のファンクラブ開設と、12月13日に「NOTE」がリード曲となるミニアルバム「変身」がリリースされるホットなニュースをアナウンス。うれしいプレゼントの報告に、ファンも歓喜した。

「まだまだ遊びたいし、(ライブが)終わってほしくない。でも、終わってほしくないなぁがあるから、次また一緒に遊ぶ楽しみが増えたよね。また次、新しい遊びを用意して待ってるから。また一緒に遊びましょう!」

幾度も「一緒に歌おう!」と呼び掛け、一緒に音楽で遊ぶ喜びをかみ締めた「SHUGO NAKAMURA 3rd LIVE TOUR ~NOISE~」。ファイナルの追加公演のラストを飾った曲は、仲村がイラストを描いた「シューサー」のマスコットぬいぐるみをバズーカで飛ばし、銀テープが降り注いだ「ナチュラル」。仲村の声に重なったオーディエンスの大合唱は、LINE CUBE SHIBUYAという遊び場を共有した全員に、笑顔と幸せを届けてくれた。

取材・文/阿部美香 撮影/平野タカシ

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