9月26日(日本時間27日)、本拠地で行われたパイレーツ戦でサヨナラ勝利をおさめたフィリーズはワイルドカードでのポストシーズン進出を決めた。フィリーズは昨年もワイルドカードでポストシーズンに進出し、快進撃でワールドシリーズまで勝ち進んだ。ワールドシリーズではアストロズに破れたが、今季も再び下剋上を狙うことになる。
フィリーズと言えばブライス・ハーパーやカイル・シュワーバー、JT・リアルミュートらスター選手が揃う強力打線が最大の魅力。今季はそこに11年3億ドルという巨額契約で韋駄天トレイ・ターナーも加入し活躍している。
2度の盗塁王に輝いたこともあるターナーは今季打撃面で不振にあえいだ時期があったものの、足に関しては例年通りの快足を披露。29盗塁を記録し、失敗は一度もない。実はこの盗塁成功率100%には新記録達成がかかっている。
1シーズンで成功率100%を達成した選手の中で最多盗塁数は、同じくフィリーズのスター選手だったチェイス・アトリーが2009年に記録した23個。このままターナーが失敗なしでシーズンを終えれば、これを更新することになる。フィリーズは残り5試合で、すでにポストシーズンを決めているということもあってターナーが盗塁のリスクを負う必要がない。そう考えると新記録達成の可能性は高いだろう。
今季は盗塁に関する新記録が印象的だ。ベース拡大やプレートを外す回数に制限が設けられるなど新ルールが導入されたことで、盗塁数は爆発的に増加した。中でもアクーニャJr.が前人未到の40本塁打&60盗塁を達成したことに対しては、果たして過去の記録と同列に語ってよいのかという議論もある。
ターナーが成功率100%の新記録を出しても、新ルール導入以前のアトリーが樹立した記録と単純な比較は難しいかもしれない。大盗塁時代に入ろうとしているMLBでは、今後も様々な記録が生まれそうだ。