遺族「一日たりとも忘れない…」戦後最悪の噴火災害から9年 御嶽山のふもとで慰霊式

死者・行方不明者が63人に上った御嶽山噴火災害から9年です。
ふもとで慰霊式が開かれ、遺族や行方不明者の家族が
大切な人を思い黙とうしました。

■遺族代表・所清和さん 
「慰霊登山の際、下山してきた女の子に「剣ケ峰まで登ったの?すごいね、いくつ
?」と声をかけた子が「9歳」と噴火の年に生まれた子が小学3年生。子どもの成長を見て改めて時の流れを感じました」
遺族を代表してあいさつをした愛知県の所清和さん。
息子とその婚約者が御嶽山で亡くなりました。

2014年9月27日。紅葉シーズンの土曜日、
多くの人が登山を楽しんでいました。
噴火によって山頂付近の景色は一変。
58人が死亡、今も5人の行方が分かっていません。

【黙とう】

あれから9年…王滝村で開かれた追悼式に参列した
遺族や関係者は噴火の時刻に合わせて黙とうしました。

■長山幸嗣さん(娘を亡くした)
「一口に9年と言っても長い年月があったので、1日たりとも「照利」の事を忘れたことはありません」

■野口弘美さん(夫を亡くした)
「思い出をたどっているうちに1つ1つ消化していったというか、新しく頑張ろうという気持ちがわいてきました」

視界が悪い御嶽山の山頂付近。
9年前、おいの亮太さん(当時19歳)と一緒登っていた
愛知県の野村正則さんの姿がありました。

■野村正則さん
「最後に別れた場所ということで、そこで手を合わせたいと思って来ました」

亮太さんは行方不明のまま、見つかっていません。

■野村正則さん 
「あそこから2人で一緒に逃げたんですけど、連れて帰ることが出来なかったっていう申し訳ない思いっていうことを手を合わせながら思いました」

多くの人が犠牲になった八丁ダルミは、7月に規制が解除されました。
県議会中のため、阿部知事は県庁から御嶽山に向かい黙とうしました。
今後火山の専門家を県職員として迎える方針です。

■阿部知事 
「しっかりとした予知が出来るという状況ではありませんし、
様々な火山の特性があります。火山研究の専門家のみなさんに組織に入っていただくと同時にネットワークも作って火山防災対策を進めていきたいと思います」

噴火を風化させないためにも、
県は9月27日を「信州火山防災の日」に制定しました。

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