3度目の裁判で逆転無罪判決 中学生ひき逃げ事件 遺族「最低の判決」【長野】

1審の実刑判決が破棄されました。8年前、佐久市で男子中学生が車にはねられて死亡したひき逃げ事件の控訴審で、東京高等裁判所は被告に無罪を言い渡しました。
2015年、佐久市の市道で、当時中学3年の和田樹生さん(当時15歳)が車にはねられて死亡しました。車を運転していた池田忠正被告(55)は、過失運転致死の罪が確定した後に、新たにひき逃げの罪に問われるという異例の経過をたどっています。

1審の長野地裁は去年、飲酒を隠そうとコンビニで口臭防止剤を買うため現場を一度立ち去ったなどと指摘。救護義務違反が成立するとして懲役6カ月の実刑判決を言い渡しましたが、被告側が無罪を主張して控訴していました。

そして、28日。東京高裁は、池田被告がコンビニに寄った時間は1分余りだったと指摘。「被害者の捜索をし、発見された後は実際に救護措置を講じている」などとして、1審の判決を破棄し無罪を言い渡しました。

この判決に遺族は怒りをあらわにしました。
■母親
「被害者の生命や身体の保護をまったく無視した判決だったと思っています。最低の判決」

検察庁に強く上告するよう求めたということです。

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