【別府】別府市出身でフットヘルパーの堀友美さん(32)が、市営温泉で「爪切り屋さん」を始めた。足の爪を整えることで介護予防を図るサービス。湯に漬かった後は皮膚や爪が軟らかくなり、施術がしやすくきれいに仕上がる。利用者の評判は上々のようだ。
堀さんによると、足の爪が健康でないと踏み込む力が弱まり、身体のバランスが取れずに転びやすくなったり、姿勢が悪くなって腰痛になったりする。高齢者は視力の低下で足先がよく見えないといったケースや、足に手が届かないといったこともあり、爪の状況が悪化する恐れがある。
主なサービスは皮膚に付いたあかを取り除き、爪が真っすぐ伸びるように矯正する。巻き爪、厚みが増した爪といった素人には難しい施術の他、うおのめ、たこなども処理する。対象は主に高齢者。20~45分のフットケアコースの他、ハンドケアのコースもある。
堀さんは同市出身。大分大医学部に進学し、卒業後は看護師として福岡県内で勤務した。新型コロナウイルス禍の時期に看護職をしながら介護施設でアルバイトを始め、多くの高齢者が足の爪にトラブルを抱えていることに気付いた。
一般社団法人「フットヘルパー協会」(北九州市)の講座で知識と技術を習得。現在は東京都内の4事業所に通いながら、別府市に月数回、戻って爪切り屋さんを開いている。
別府での営業は温泉文化に着目。市民、高齢者のつながりが生まれる市営温泉でのサービス提供にこだわった。
9月中旬、湯都ピア浜脇(浜脇)で爪切り屋さんを開いた。利用した市内の70代女性は2年前から左足の親指の爪が分厚くなり、自分では切れずに困っていたという。「丁寧に施術をしてもらえた」と満足そうで、10月の予約を入れていた。
堀さんは「何歳になっても好きなときに好きな場所へ行けるように足元から支えたい」と話している。
10月は9、11日が湯都ピア浜脇で、10、12、14日は不老泉(中央町)で開く。午前10時から午後5時まで(14日のみ同4時)。利用料は初回のみ千円。2回目以降は2420円から。
予約は堀さん(080.6445.8235)。