東ト協・3支部 健康守り事故防止 危険サイン見落とさない

東京都トラック協会千代田支部(田中敏之支部長)と中央支部(澤幡淳支部長)、港支部(坂田生子支部長)の合同による運転者講習会が3日、都内で開かれた。
 ドライバーの健康が起因とする事故が増えていることを踏まえ、体調不順に潜む危険のサインを見落とさないためのポイントを学んだ。トラック運送事業者を中心にコンサルタント事業を展開するプラスワン(東京・大田区)の山内俊彦社長が講演した。
 「ドライバーは個室で仕事している」。コックピットで一人っきりの業務が大半を占める運転者こそ体調管理は重要と強調する。心筋梗塞や大動脈解離といった心臓・脳・血管疾患が突発で発症すると運転操作に支障を及ぼす。死亡事故に発展するかもしれない。
 その様子をとらえたドライブレコーダーの映像が紹介された。居眠り運転で街路樹に衝突や中央分離帯に接触。それらは睡眠時無呼吸症候群(SAS)だったことがその後の調査で分かっている。また、前方の車両に少し追突し停車したトラックの映像では、50代の運転者はすでに亡くなっていたという。さらに、運転者が意識不明となりふらつく車両に同乗者がパニックに陥る様子も。
 病を見逃さないためにも健康診断の受診と、その結果に基づいた再検査や健康管理を促した。まず体調の基本となる食事と睡眠確保。会社も維持できるよう支援するよう山内氏は助言する。出庫前と帰庫後の対面点呼はとくに大切。日々の血圧測定、睡眠チェック、顔色、コミュニケーションなど図り事故防止と運転者の命を守るよう促した。

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