【MLB】 残り2試合のア・リーグ西地区優勝争い 各チームの進出条件を解説!

写真:大きな追加点を挙げ、トライデントを掲げるマリナーズ・ロハス

ア・リーグ西地区の優勝争いは、今日を終えて残り2試合となり、ついに大詰めだ。

今日はアストロズがダイヤモンドバックスに2対1で勝利。相手エースのザック・ギャレンに対して、大きな1勝となった。さらにマリナーズがレンジャーズに8対0で大勝し、これでレンジャーズとの4連戦の最初の2戦に勝利した。

現在の順位表は以下の通り。首位はレンジャーズで変わらないが、89勝71敗で2位にはわずか1ゲーム差。2位アストロズは88勝72敗でそれを追っている。さらに3位マリナーズが87勝73敗でレンジャーズを2ゲーム、アストロズを1ゲームで追っている。

状況は依然としてレンジャーズに有利だ。レンジャーズは勝ちさえすれば、プレーオフ進出を決めることができる。

しかし、シーズンの直接対決では圧倒してきたマリナーズに連敗し、残りの2試合の展望にも暗雲が立ち込めている。レンジャーズは明日、現地土曜日の先発予定だったジョン・グレイが故障離脱。残り2戦の投手運用は不安要素が多い。

レンジャーズは明日の試合にアンドリュー・ヒーニーを先発させることを発表。最終戦もヒーニーと同じくブルペンに回っている先発左腕のマーティン・ペレスやコディ・ブラッドフォードの起用が予想される。後を受けるブルペンは大きな不安要素であり、ブラッドフォードも直近3先発で10イニング13失点と乱調だ。

対するマリナーズの先発はルイス・カスティーヨとジョージ・カービーという双璧の2枚であり、かなり厳しいマッチアップになることは間違いない。

厳しい状況に追い込まれたレンジャーズにとっては、アストロズの結果も鍵を握る。プレーオフ進出まであと1勝のアストロズは、明日がジャスティン・バーランダー、明後日がクリスチャン・ハビアーの予定。マッチアップはいずれもアストロズに有利だ。

レンジャーズにとって最悪のシナリオは、残りの2試合に敗北し、アストロズが残りを1勝1敗としてしまった場合だ。そうすると、マリナーズ含めた3チームが89勝73敗で並ぶことになり、3チームタイブレーカーで順位が決定される。3チーム間の対戦ではマリナーズが14勝12敗で、13勝13敗のアストロズとレンジャーズの成績を上回り、マリナーズが地区優勝することになる。その後、並んだアストロズとレンジャーズでは、アストロズが直接対決で9勝4敗と大きく勝ち越しているため、アストロズがワイルドカード枠を手にする。

むしろ、レンジャーズが2敗しても、アストロズが2勝して地区優勝してくれた方がレンジャーズにとっては好都合になる。その場合、アストロズが90勝で地区優勝。レンジャーズとマリナーズが89勝で並び、直接対決(レンジャーズが8勝5敗で勝ち越し)の差でレンジャーズがワイルドカード枠を手にできる。

アストロズにとっては、今日ザック・ギャレンからもぎ取った1勝によってかなり有利な立場になることができた。アストロズは1勝さえすることができれば、プレーオフ進出を確定することができる(マリナーズの負けでも決まるマジックナンバー1と同じ意味ではない)。

アストロズが残り2勝して90勝した場合、現在87勝のマリナーズには追いつく術はなく、ワイルドカード以上が確定。

アストロズが残り1勝1敗となれば、前述の89勝で3チームが並ぶシナリオのほか、マリナーズが残り1勝1敗でも88勝止まりとなり、アストロズがワイルドカードへ。レンジャーズが2勝しても、マリナーズが87勝止まりでアストロズのワイルドカードが確定する。

問題はアストロズが残り2敗となった場合だ。その場合、アストロズは88勝止まりとなり、アストロズに対してタイブレーカーを持つマリナーズは、残り1勝1敗でも88勝となってアストロズを最終順位で上回ることができる。

マリナーズとしては、レンジャーズに残り2勝したとしても、アストロズも残り2勝してプレーオフに行けないシナリオがあり得るため、アストロズが少なくとも1敗することを願わなければいけない。

菊池雄星が所属するブルージェイズもこの三つ巴に巻き込まれている。ブルージェイズは現在89勝71敗で、マジックナンバーを1としている。ブルージェイズが1勝するか、あるいはマリナーズが負けるかでワイルドカードが確定する。ブルージェイズにとっては残り2試合2敗以外でプレーオフを逃すシナリオはなく、プレーオフは目前という状況だ。

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