就任2年目の岸田首相、突破口は「運輸」か ライドシェアに注目、河野デジタル相も同調

タクシー乗り場(資料写真)

 自民党総裁任期残り1年を切った岸田文雄首相は4日に就任2年目を迎える。安倍派など三大派閥を取り込む内閣改造は国民に不評で支持率は低迷。総裁再選を見通せない中、菅義偉前首相(衆院神奈川2区)と公明党が示す「タクシー」「トラック」の運輸2課題への対応が新たな突破口となりそうな気配だ。

 菅氏は全国各地での遊説などで「ライドシェア」の導入を提唱している。自家用車を使い有償で乗客を運ぶ個人サービス。過疎地や観光地の移動手段不足の解消を目指すが、河野太郎デジタル相(15区)、小泉進次郎元環境相(11区)が同調し、実現に向けて各所で声を上げている。

 与党内には「安全確保などさまざまな課題がある」(松野博一官房長官)などと慎重論も根強い一方、「先の総裁選で対峙(たいじ)した河野氏ら3人と連携できれば再選の道につながる」(岸田派議員)と期待も漂う。

 菅氏も周囲に「結果としてタクシー不足などの問題の解決につながれば」と説明。事業空白区の解消や運転手の待遇改善も視野に入れているようで「議論に乗るか乗らないかは総理次第」(政府関係者)の状況だ。

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