炭焼きの伝統、継承を 相模原・藤野のグループ活動20年 メンバーら「地域の山を守る」

炭焼き窯の前に立つ長崎さん=相模原市緑区

 日本で伝統的に行われてきた炭焼きを継承しようと、神奈川県相模原市緑区の藤野地域のグループが取り組んでいる。NPO法人「篠原の里」(同区牧野)のサークル「炭焼き部」は20年近く活動を続け、かつて同地域で盛んだった営みをつないでいる。炭焼きを行うために樹木を伐採することが里山の保全に役立つといい、メンバーらは「地域の山を守る」という思いで臨んでいる。

 藤野地域ではかつては炭焼きが盛んだったが、主要なエネルギーがガスや電気に変わった戦後は衰退。炭焼きのための樹木の伐採が行われなくなったことで、里山の「新陳代謝」が鈍くなり、古い樹木は倒れやすくなっているという。

 同サークルは、里山の保全に重要な意味を持つ炭焼きを復活させようと発足。旧藤野町立篠原小学校の校舎を活用した同NPOの施設が2005年にオープンし、その当初から活動している。現在は、30~70代のメンバー約20人が参加し、同所近くにある窯で年に4~5回炭焼きを行っている。

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