横浜で「火事だ!」ベランダに取り残された女性の姿 体育教師の男性が3階まで壁よじ登り救助

感謝状を受け取った木村さん(左)と磯子消防署の大塚署長=横浜市磯子区の磯子消防署

 「火事だ!」。そう叫ぶ声に突き動かされた体育教師の男性が、火災現場から高齢女性を救い出した。

 1月24日午後3時ごろ、大和市の木村健太さん(45)は、横浜市磯子区の共同住宅に隣接する幼稚園で体育を教えていた。突然叫び声が聞こえ、向いた視線の先にはアパート3階の一室から大量の黒煙が噴き出していた。ベランダには、取り残された女性の姿があった。

 「このままでは彼女は死んでしまう」。そう直感し、勢いよく壁をよじ登り、柵を越えて女性の元に駆け寄った。混乱しているせいか煙が立ち込める部屋に戻ろうとする女性に「行っちゃダメだ」と語りかけて制止し、ベランダの仕切りを蹴破って避難した。

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