9月14日にパリ・サンジェルマンからの退団を発表し、カタールのアル・アラビに移籍したイタリア代表MFマルコ・ヴェラッティだが、退団前には今シーズンからPSGの指揮官を務めているルイス・エンリケ監督から残酷な宣告を受けたという。スペイン『アス』電子版が伝えている。
ルイス・エンリケ監督は7月にPSGの指揮官に就任し、新しいプロジェクトのロードマップを設計し始めたが、最初からそこにヴェラッティが加わることはなかった。実際、指揮官はプレシーズン中、ヴェラッティに全く先発出場の機会を与えず、シーズンが開幕してからは一度も試合に招集しなかった。
そもそも、ルイス・エンリケ監督は就任した段階で、ヴェラッティに対してこのように宣告したという。
「君は私が大嫌いなタイプの選手だ」
この厳しい言葉がきっかけとなってヴェラッティ自身も退団の道を模索するようになり、最終的には5000万ユーロ(約78億2690万円)の移籍金でアル・アラビに新天地を求めることになった。
ヴェラッティは2012年にペスカーラからPSGに加入し、同クラブで公式戦通算416試合11ゴールの成績を残した。クラブ史の中で特に重要な選手の1人であり、最も成功した選手の1人でもあったと言える。
才能は誰もが認めるところだったが、小柄な体格ゆえにケガに悩まされることも多く、今年に入ってからは低調なパフォーマンスが批判の対象となり、クラブ側からの評価も下落していた。また、チームがヨーロッパの舞台で失態を演じるたびにウルトラス(過激サポーター)による攻撃対象となっており、ヴェラッティ自身はそのことに対する不満を漏らしていた。
クラブやサポーターとの関係がこじれ、新たに就任した指揮官から決定的な一言を浴びせられたヴェラッティの今夏の退団は、必然だったと言えるだろう。