【きらら浜 野鳥手帖】 No.55「ノビタキ」

スズメ目 ヒタキ科 [全長] 13cm [時期] 春と秋に見られる旅鳥

 鳥の中には、春になると地味な秋冬の羽色から派手な色に変わるものがいますが、これは羽の一部が繁殖期用に生えかわるためです。

 ノビタキのオスも春には頭が黒色のおしゃれルックスになります。しかしこれは羽が新しく生えかわるのではなく、厳しい冬を乗り越える間に褐色の羽先が擦り切れ、根元の黒色が見えるようになったからなのです。

 今時期の彼らは一見地味色ですが、使い古した羽がすべて生えかわったばかりの一年で最もピカピカの姿。畑や草地などでスズメだと思ってスルーしている鳥、草の先といった目立つ場所にとまっていれば、それはきっとノビタキです。

新光産業きらら浜自然観察公園 高尾 はるか

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