【高校野球秋季神奈川県大会】横浜・三塁コーチャー岩本 試合出ない主将の難しさ痛感 パワハラ報道でチームは

準優勝の賞状を受け取る横浜の主将・岩本(左)=サーティーフォー保土ケ谷

 高校野球の秋季県大会で準優勝し、21日からの関東大会に選抜甲子園をかけて出場する横浜。新チームの主将は背番号20の岩本龍大だ。県大会は組み合わせの厳しさもあって苦戦が続いた。チームを引っ張る三塁コーチャーに、大会を振り返ってもらった。

 準決勝の東海大相模戦。そこまで好調とは言い難かった打線は、特に左打者が極端にバットを短く持って相模の強力投手陣に対峙(たいじ)した。「プライドを捨てよう。恥を捨てよう」。それがこの試合の合言葉だった。

 岩本は「大会に入っても、自分も含めて全員が夏の高ぶったテンションを引きずってしまっていた」と振り返る。全国優勝した慶応と激戦を繰り広げた夏の神奈川決勝。そのメンバーが複数残るタレントぞろいの新チームには、「長打ばかり狙ってフライを上げてしまう」という課題があった。

 岩本が「転機」に挙げたのは、3回戦の向上戦。4―4で延長にもつれ込む接戦となり、タイブレークの末、辛くも勝利を収めた。「自分たちにおごりがあったんだと、全員がそこで思った」という。

 加えてその試合の約1週間後、向上戦後のロッカールームでの村田浩明監督の様子を「NEWSポストセブン」が「試合後、球児に怒号で現場騒然」と報じた。

 選手たちが監督から厳しい言葉を受けたのは事実だ。インターネットに出た記事を見た瞬間、岩本は「これでチームがバラバラになってしまわないか」と心配したという。

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