生成AIへの期待とリスクの共有呼び掛け 総理

 岸田文雄総理は9日、京都市で開催されたインターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)2023 AI(人工知能)特別セッションで「インターネットが民主主義と経済社会に目覚ましい発展をもたらしてきたように、生成AIによって人類の歴史に大きな変化がもたらされようとしている」と生成AIがもたらす成果に大きな期待を寄せた。

 特に「生成AIは業務効率化だけでなく、新薬創出や新たな医療手法の開発など様々な分野でイノベーションを加速させ、世界に劇的な変化をもたらすことが期待されている」と述べた。

 そのうえで「日本政府は計算資源の整備や基盤モデル開発に対する支援などAI開発力の強化や中小企業や医療分野等におけるAI導入推進など、AI開発・利用の両面に強力に取組み、しっかり経済対策に盛り込んでいきたい」とした。

 岸田総理は合わせて、生成AIのもたらすリスクに関しても「精緻な偽画像や偽情報による社会の混乱など経済社会を脅かすようなリスクや課題も指摘されている」として「幅広い関係者が役割を果たす必要がある。信頼できる情報の流通を促進するために情報発信者を証明・確認できる技術開発や普及を進めることも有効と思う。このような理解を国際社会全体で正しく共有し連帯して対処していかなければならない」と呼び掛け「国際的なルールづくりをけん引していく」と語った。(編集担当:森高龍二)

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