「グストの退場は妥当」「コバチッチは幸運」 相次ぐ疑惑の判定にPGMOLチーフのウェブ氏が見解

[写真:Getty Images]

プレミアリーグのプロ審判協会(PGMOL)でチーフを務めるハワード・ウェブ氏が、リーグ戦で相次ぐ疑惑の判定について説明した。

今シーズンは開幕から毎節のように審判団の誤審が話題になっているプレミアリーグ。特に第7節のトッテナムvsリバプールでは主審とVARのコミュニケーションミスからリバプールのゴールを取り消してしまうミスがあり、PGMOLは試合後すぐさま誤審を認めることになった。

また、現在は判定の一貫性のなさも議論の的に。一例として、第6節のチェルシーvsアストン・ビラではチェルシーのDFマロ・グストがDFリュカ・ディーニュへのタックルで退場処分となった。映像を見る限り、ボールをクリアした後に足裏がディニュの足に入る形となっていたが、危険行為としてイエローカードからレッドカードに変更されている。

これに対して、第8節のアーセナルvsマンチェスター・シティでは、MFマテオ・コバチッチが背後からMFマルティン・ウーデゴールに足裏タックルを見舞うも、判定はイエローカードのまま覆らず。コバチッチは直後にMFデクラン・ライスにも足裏タックルを仕掛けたが、今度はイエローカードすら提示されなかった。

イギリス『スカイ・スポーツ』に出演したウェブ氏は基準が異なるとしか思えないこの2つの判定について説明しており、グストの退場は妥当、コバチッチが退場しなかったのは幸運だとの見方を示している。

「(グストの退場は)足首の上に足裏が明らかに入ったタックルだった。過剰な力が加わったチャレンジによって、タックルを受けた選手の安全が脅かされたことを示唆している」

「私はこの一件については、VARが介入することを期待していた。そして、それによって導かれた結果も正しいものだったと思う」

「(コバチッチのタックルは)明らかに不適切なものだ。もし(主審を務めた)マイケル・オリバーがレッドカードを出していたら、VARは非常に単純明快な『チェック完了』とだけ言っていただろうと確信している」

「しかし、主審はイエローカードを出さなかったわけではない。ここにいくつかの違いがあると思う。コバチッチは右足でタックルに入った。そして右のかかとは地面に触れており、グストのように明らかに足が横向きで入ったわけでもなかったのだ」

「いくつかの小さな違いにより、VARはイエローカードの判定が明確かつ明らかに間違ってはいないと判断した。もし介入していたら再審判になるだろうと思い、チェックを完了させたのだと思う」

「私としては、コバチッチは幸運だったと思う。2枚目のイエローカードについては、VARは関与できない。そういう意味でも、彼がピッチにとどまれたのはラッキーだった」

「我々にとって最高の審判の一人であり、世界最高の審判の一人でもあるマイケル・オリバーは、間違いなくあの試合の自分の判定を見直すはずだ」

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