メイド・イン・ジャパンの頂点を極めるSUV トヨタ「センチュリー」登場

21世紀の始まりとともに激化したSUVのリリース合戦は今なお続いており、“超”がつく高級ブランドにも飛び火している。ヨーロッパの高級ブランド、そしてスポーツカー専業のイメージが強かったメーカーでも軒並み豪奢なモデルをリリースしている。そんな流れの中でついに日本を代表する自動車メーカー「トヨタ」が動いた。

レクサスという高級車ブランドを持つトヨタだが、今回はそれよりもさらに上を行くフラッグシップモデル「センチュリー」に、SUVタイプが追加されることになった。9月6日の発表では、2500万円という価格が伝えられ、すでに注文もスタートしている。

センチュリーは言わずもがな、トヨタが誇るショーファーモデル(運転手付きVIP車)。今回新たに登場した新型は、全長5205mm、全幅1999mm、全高1805mmという堂々たる体格をしている。ベントレー「ベンテイガEWB」や、ロールス・ロイス「カリナン」より全長がわずかに短いだけという、まさにフルサイズSUVだ。

興味深いのはその車名で、「SUV」や「クロスオーバー」といった“ありふれた単語”を使っていないことだろう。背の高い5ドアスタイルなので、SUVという呼び方が相応しいのだが、今回発表された車名はあくまで新型のセンチュリー。それでいて既存の4ドアセダンも生産終了となるわけではなく、併売されるという。

ボディはセダンとの共通項を感じさせる端正なもの。「The Chauffeur(ザ・ショーファー)」というコンセプト通り、フロント以上にリアシート周りの作り込みに重きが置かれている。リアドアは大きく開く(最大75度)横開き式だが、スライド式も選択できる。

リアシートの素材やデザイン、機能性は、ファーストクラスを思わせる設(しつら)えで、フルリクライニングも可能だ。太めのセンターアームレストを挟んだ左右独立タイプのシート設定で2人掛けとなっている。

パワートレーンはトヨタお得意のハイブリッドを採用している。3.5リッターのV6エンジンに加え、車体前後にそれぞれ駆動用モーターを備えたAWDモデル。搭載しているバッテリーの容量は18.1kWhなので、バッテリーのみでも最大69kmの走行が可能だ。

新型センチュリーはこれまでのセダンの代替えとして、法人を中心に広まっていくはず。ゴルフ場のエントランスでいかなるヨーロッパ車と遭遇しても引けを取らない風格と、希少性は当代最強のカード。究極の“メイド・イン・ジャパン”が誕生した。

トヨタ センチュリー 車両本体価格: 2500万円(税込)

  • ボディサイズ | 全長 5205 X 全幅 1990 X 全高 1805 mm
  • ホイールベース | 2950 mm
  • 車両重量 | 2570 kg
  • エンジン | V型6気筒
  • 排気量 | 3456 cc
  • 最高出力 | 262 ps(193 kW) / 6000 rpm
  • 最大トルク | 335 N・m / 4600 rpm
  • 変速機 | 電気式無段変速機

Text : Takuo Yoshida

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