被害者が亡くなる前日、最後に接触 元職員だった男 老人ホーム入所者殺害の疑いで逮捕【長野・塩尻市】

去年5月塩尻市の老人ホームの入居者の女性に薬物を飲ませて殺害した疑いで、警察は、元職員を逮捕しました。男は、別の施設関係者の女性にも薬物を飲ませたとして逮捕・起訴されています。

■記者
「望月容疑者の自宅です。近所の人によると、望月容疑者は無口でおっとりした性格で、母親と二人で暮らしていたということです」

殺人の疑いで逮捕されたのは下諏訪町の無職・望月大輔容疑者(40)です。去年5月、当時勤務していた塩尻市の老人ホームで入居者の前田裕子さん(当時77)に薬物を飲ませ殺害した疑いが持たれています。警察は望月容疑者の認否を明らかにしていません。
■記者
「望月容疑者は生活相談員として入居者の困りごとなどを聞く傍ら、食事を運ぶなどの業務をしていたということです」

警察や施設長によりますと、去年5月29日午前8時ごろ、前田さんが食堂に来なかったため別の職員が前田さんの部屋に様子を見に行くと、ベッドに仰向けの状態で亡くなっているのを発見したということです。
前田さんが亡くなる前日最後に接触した職員は望月容疑者で、「夕飯はいらないと言われた」ことが記録に残っているということです。望月容疑者は前田さんなどを介助する業務に従事していて、犯行に及んだとみられる日は勤務日でした。

■記者
「施設長によると、望月容疑者は利用者に対し優しく、勤務態度も真面目で、悪いイメージはなかったということです」

一方、亡くなった前田さんは穏やかな人でトラブルはなかったそうです。望月容疑者はこれまでに、殺害された前田さんの通帳を亡くなる以前に不正に使用した罪などでも合わせて5回逮捕され4回起訴されています。
このうち、老人ホームの関係者の女性に向精神薬が入ったドリンクを飲ませたとされる傷害事件の裁判では、検察側は「以前から服用している向精神薬を飲んでも体調が回復しないため、施設の同僚に飲ませたら効果が出るか試したいとして事情を知らない女性に飲ませた」と主張していました。

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