自作 BL漫画を演劇化! 演劇企画もじゃもじゃ『ある腐女子』上演

演劇企画もじゃもじゃは自作のBL漫画をベースに、漫画と演劇での表現方法の違いを探求する新しい試みを行う。
なお、アーツカウンシル東京の助成を得て、劇団本公演を上演、また、日本演出者協会主催の若手演出家コンクール2023、2次審査対象公演としても上演。

作品紹介
腐女子とは一体なんなのか。
本作品では腐女子を「男性キャラクター同士のホモセクシュアルな関係性に高い関心を持っている人」 と定義し、一人の腐女子をサンプルに「関係性原理」の欲望を深掘りする。
「BLってエロ本でしょ?」と言う意見を多く聞く。しかし、そこで思考を停止させては勿体無いほどの ビッグカルチャーへと BL は進化している。女性の性欲を満たす快楽装置から、現実の同性愛者を取り巻く社会を描き出し、女性が社会へ向ける切実な願望表現に至るまで変貌を遂げたのではないか。性的な 欲求の奥底にある「対等な関係性」への憧れ。 そうした対等な関係を求める存在としての腐女子にジェンダー問題や男女不平等制度の打開の可能性を見出し、演劇作品の構築と上演を企画する。 人々に差が存在する限り、完全に対等な関係を築くことは不可能である(完全に差がなくなってほしい とも思わない)が、その上でどう社会を作るか、どう他者との関係を築いていくのかが人類の永遠の課題 であり、それら社会的なものの表現媒体として演劇は有効に機能するであろう。
また、今回は世界的な名作を数多く残したドイツの演出家、“ブレヒト”が目指した演劇を参考に、現実 と虚構という BL が持つ重要な要素を際立たせる。 ヒトラーの独裁に対抗するべく、演劇体験をナチス党大会のような「同化と没入の装置」としての祝祭劇 から「異化と批評の為の装置」へと作り替える演出技法を利用し、観客にBLカルチャーへの別視点(演劇的視点)を持たせることで、社会や人々に対する見方が豊かなものに変化するきっかけを与える。
今やオタクや腐女子の存在は一般的なものになった。その欲望を今一度見つめ直す時が来たのだ。

物語
宮城のド田舎から上京してきた五味川拓也(21)はナンパ系 YouTuber に憧れ、都心から少し離れた駅 でナンパ動画を撮影していた。元々引きこもりだったが故に抱いた憧れだが簡単にナンパを成功させる スキルもなく、撮れ高のために誰でもいいと声をかけた男、永山真澄(26)だけが立ち止まる。上京した ての寂しさや真澄に対する興味で、家に遊びに行きたいと言う拓也をそのまま家にあげてくれて…? とある腐女子をサンプルに、コロナ禍に起きた一つの出会いの創造と崩壊を展開していく物語。孤独と ナンパと芝居と恋愛。欲望の先に望む一粒の真実を今!眼前に…!!

演劇企画もじゃもじゃとは_
桜美林大学芸術文化学群演劇専修卒業メンバーで構成される、在学時に立ち上げられた団体。2016年、桜美林大学在学中に結成。以来8年間、東京を拠点に活動している。作品はそのほとんどが代表の中山美里の脚本・演出によるもので、SNSを初めとするネット社会と現実の人間との関係性の違いや、 閉鎖空間のような現代社会で働くことへの鬱憤、また近くにいるのに希薄になってしまった人間同士のすれ違いによる悲劇など、一度は誰しも感じたことがあるが声に出さないような小さな叫びを見逃さず、 そういった社会に起きている蟠りを「もじゃもじゃ」という言葉に置き換え、それをまっすぐに描写する 団体である。また、性別によるコンプレックスや課題を取り上げることも多い。そこには中山の「女性視 点」ならぬ「腐女子視点」という切り口からの考察が入り込む。今後も、「このもじゃもじゃを抱えてい るのはあなただけではない」というメッセージを発信していくことを目的とする。

概要
タイトル:演劇企画もじゃもじゃ第6回本公演『ある腐女子』
日程会場:2023年11月22日(水)〜11月26日(日) シアターシャイン
団体名:演劇企画もじゃもじゃ
作・演出:中山美里
出演:石津雄司 いずみはる 小又旭 鳥飼健太郎
音響:北村萌 照明:露崎嘉一 美術:いとうすずらん 舞台監督:吉野葵 演出助手:池田夏七美 宣伝美術:いずみはる
制作:安藤歩 高槻一紗

公式サイト:https://mojamojasiteru.jimdofree.com

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