ストラスブールのサポーター、チェルシーも保有する新オーナーに激怒

写真:チェルシーとストラスブールのオーナー、ベーリー氏(左)©Getty Images

リーグ・アンのストラスブールのサポーターたちが、チェルシーのオーナーを務めるトッド・ベーリー氏らを非難しているという。イギリス『デイリーメール』電子版が報じている。

ストラスブールは今年6月、ベーリー氏を中心とするコンシーシアム『BlueCo』が買収した。フランスの報道では、『BlueCo』は6500万ポンド(約119億3160万円)をかけてクラブ全体を買収し、そのうえでトップチームとアカデミーへの適切な投資を約束したという。

実際、指揮官には元フランス代表のパトリック・ヴィエラ氏を任命し、夏の移籍市場では5000万ポンド(約91億8010万円)近い金額を費やして選手を補強した。しかしその成果が十分に出ているとは言い難く、リーグ・アンでは第8節終了時点で3勝1分け4敗の11位、直近5試合ではわずか1勝と苦しんでいる。

ストラスブールのサポーターグループ「The Federation Supporters RCS」はクラブのマルク・ケラー会長に宛てた書簡を送り、その中で次のように『BlueCo』の取り組みを非難した。

「2023年夏の移籍期間が我々の最初の(BlueCoに対しての)判断要素であり、大きな懸念要素となった。まだ戦力としての地位を確立できず、キャリアが停滞する可能性もある若い選手だけを補強し、成熟した選手の加入がなかったことにより、チームはリスクにさらされている。若い選手のみを獲得したことは、スポーツレベルでは無意味であり、ファンは現在のチームに共感を抱いていない」

「無意味な資金投入は何もいいことをもたらさない。我々の“兄”であるチェルシーは、巨額の資金を費やしたにもかかわらず、イングランドでの序列を一気に転落させた実例となっている。そして今後、チェルシーにいる無能な選手をストラスブールに迎え入れてほしくはない」

また、書簡の中では1つのオーナーグループが複数のクラブを所有する例についても警鐘を鳴らしている。

「ストラスブール以外でも、複数クラブを所有する例がサッカーにとって危険な状態であることを思い出してほしい。こうしたピラミッドシステムはゆっくりと以前よりも強く定着しつつある。大多数のクラブの目的が、若い選手を育成し、各ピラミッドの頂点にある少数のクラブを支援するというものに落とし込まれてしまう可能性がある」

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