輸出陶磁器にスポット、貴重な130点を展示 平塚

明治、大正期に輸出された陶磁器が並ぶ企画展=平塚市美術館

 明治、大正期の輸出陶磁器にスポットを当てた企画展が平塚市美術館(同市西八幡)で開かれている。輸出陶磁器は近年大きな脚光を浴びているものの、国内の現存数は限られており、貴重な作品約130点が鑑賞できる。11月26日まで。

 同展は、輸出陶磁器の収集を進めている横山美術館(名古屋市東区)の協力で企画された。輸出最盛期の明治前期に海外へ輸出されたつぼや花瓶、水差しなどをはじめ、アールヌーボーに代表される新しいデザインを取り入れた作品を紹介。特に1859年の開港を契機に、京都から横浜に移り住んだ陶芸家・初代宮川香山(こうざん)が試みた「真葛(まくず)焼」の作品からは、技巧を尽くして世界に挑戦した陶工の気概が見て取れる。

 同館は「海外でも高い評価を得ていた輸出陶芸品を楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。

 併設する展示室では来年2月18日まで新収蔵品展を開催。2018年に同館に寄託された藤田嗣治の油彩画「おことさん」を含む関連作品10点や、21~22年度に新たに収蔵された作品約40点を楽しめる。

 午前9時半~午後5時。月曜休館。観覧料金は一般900円、大学生と高校生が500円。問い合わせは同館、電話0463(35)2111。

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