【MLB】ポストシーズン無敗のレンジャーズ 不安視されていたブルペンが支えに 守護神レクラークは全試合登板

写真:ここまで6試合すべてに登板しているレクラーク

10月15日(日本時間16日)、レンジャーズはアストロズとのリーグチャンピオンシップシリーズ第1戦を2-0で制した。いまだ無敗のレンジャーズはここまで6連勝中。ポストシーズン初戦からの連勝記録は2014年ロイヤルズの8連勝だが、これを更新する可能性も十分にある。

レギュラーシーズンのレンジャーズは、とにかく打線が強力なチームだった。得点数、本塁打数、OPSが全体3位で、打率にいたってはブレーブスに次ぐ全体2位。大谷翔平に次ぐア・リーグ2位の本塁打数を誇るアドリス・ガルシアや、MVP投票でも名前が挙がることが予想されるコリー・シーガー、マーカス・セミエンなど強打者が勢ぞろいしている。その打線の充実ぶりは、今季のオールスターで4人の選手がスタメン入りしたことからもよくわかるだろう。

その強力打線はこのポストシーズンでも猛威を振るっている。6試合で34得点は、1試合あたり5得点以上を記録している計算だ。特にエバン・カーターやジョシュ・ヤングなど若手選手の活躍も目立つ。だが、打線が大量得点できた試合ばかりではない。オリオールズとの初戦では3-2と薄氷の勝利だったし、今日のアストロズ戦も2-0と相手投手を完全に攻略できたわけではなかった。打線は水物。打てるかどうかわからない中で連勝するためには、投手陣の奮闘が不可欠だ。

このポストシーズンのレンンジャーズ投手陣のパフォーマンスは極めて良好だ。1試合平均2失点以内に抑えており、一度リードしてから追いつかれた試合はない。今日7回途中無失点と好投したジョーダン・モンゴメリーや2試合連続1失点のネイサン・イオバルディの好投は見逃せないが、大きなサプライズになっているのがブルペン陣の強力さだ。

レンジャーズはレギュラーシーズンでブルペンに不安を抱えていた。6月にトレードでアロルディス・チャップマンを獲得するなど早い段階でブルペンにテコ入れするも、ブルペン防御率は全体24位の4.77に終わった。先発が好投してもブルペンが追いつかれるシーンも多く、63試合のセーブ機会のうちセーブ成功したのは30試合だけ。特にブルペンの要であったチャップマンは、レギュラーシーズン最後に登板したマリナーズ戦で1アウトもとれずに3人のランナーを出して降板するなど、ポストシーズンでの不安要素として挙げられていた。

ところがこのブルペン陣がここまで大きな仕事を果たしている。勝ち継投であるチャップマン、ジョシュ・スボーツ、そして9回を任されているホセ・レクラークの3投手はここまで3人あわせて1失点しかしていない。特に、レクラークは6試合全てで9回に登板するフル回転しながらの好投だ。ブルペン全体でも防御率は1.86と、レギュラーシーズンと比べて大幅に改善している。

これには比較的緩やかなポストシーズンの日程も関係しているのかもしれない。6試合連続登板のレクラークですら、2日連投したら必ず休みが入る日程のおかげで、毎回フレッシュな状態で登板に臨めているように見える。

強力打線を誇るブレーブスやドジャースが貧打にあえぐなどレギュラーシーズンとは全く異なる様相を見せているこのポストシーズン。当初は不安材料だったブルペンの躍動が、レンジャーズを球団史上初のワールドシリーズ制覇に導くのかもしれない。

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