企業、新卒採用・ミスマッチ防止に知恵絞る 「縁日スタイル」のインターンシップも…丁寧さ&面白さがカギ?

縁日のようなスタイルで参加しやすい工夫にしたコロワイドグループのインターンシップ=横浜市中区

 新卒採用に神奈川県内の企業が工夫を凝らしている。求人サイトの開設に加えて、短くてわかりやすいPR発信で会社の印象を伝え、優秀な人材確保に力を入れる。ミスマッチによる早期退職などを生まないためにも、丁寧さと面白さを追求したインターンシップも実施する。

 9月中旬の午後、横浜市中区にあるホテル会場では赤や青、黄などのちょうちんが飾られ、カラフルな法被を来た人たちが、肉などを焼きながら学生を招き入れた。ここは縁日?─。

 正体はコロワイド(横浜市西区)が2025年卒業の学生を対象としたインターンシップイベント。大戸屋などの主要グループ5社を集め、興味のある企業の話を聞く移動型スタイルとして開催。商品のこだわりや開発秘話を紹介しながら商品を試食、年齢が近い先輩社員の日常業務や入社後のキャリアパスなども伝え、学生の興味関心を高めるのを目的とする。

 採用競争が激化する外食産業では入社前の期待とのギャップによる早期退職も多い。同社では現場のリアルが分かる対面の説明会に重点を置く。採用教育部の古屋貴敏マネージャーは「学生たちの不安要素の解消や希望の実現性などを明確にして、入社後のミスマッチをなくすことを主体にしている」。今後も順次開催し、興味、意欲の高い学生の獲得に注力する。

 年々早期化する新卒採用スケジュール。学生側も内定獲得に向け活動が早くなり、効率的に多くの情報が得られる手法を企業に求めているという。新型コロナウイルス禍でオンライン志向も高まり、説明会などの動画配信の有無が申込数を左右するケースも少なくない。

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