全日本少年春季軟式野球県予選 糸魚川中県制覇 来年春の全国へ 劇的サヨナラ本塁打

糸魚川市内のチームとして初優勝を果たし、全国大会への切符を手にした糸魚川中野球部(17日、同校グラウンド)

文部科学大臣杯第15回全日本少年春季軟式野球大会ENEOSトーナメント新潟県予選大会兼「第19回オンヨネカップ~新潟県中学生新人野球大会~」(県野球連盟主催)は14日、長岡市悠久山球場で準決勝と決勝が行われた。糸魚川が準決勝で魚沼JBC(中越)を4―0、決勝で宮内(同)を4―3で破って初優勝を果たし、来年3月に静岡県で開催予定の全国大会への切符を手にした。

高校野球の「春のセンバツ」のように新人戦として、中学生球児憧れの大会にと、文部科学省の後援で開かれている大会の県予選。上中下越と新潟の県内4地区予選会を勝ち抜いた16チームがトーナメントを戦い、糸魚川は2年ぶり3度目の決勝に駒を進めた。

決勝では1―3の2点ビハインドで迎えた七回裏(最終回)の攻撃で、劇的なドラマを起こした。1点を返し一死一塁の場面で、4番荻布拓未選手(1年)が右中間を破る逆転サヨナラ2点ランニング本塁打を放ち決着。殊勲の一打でチームを頂点に導いた荻布選手は「チームの目標(県制覇)が達成できてうれしかった」と振り返った。

同大会は上越勢では平成21年に直江津、同27年に新井が優勝しているが、糸魚川市内のチームとしては初めて。植村明生監督(28)は「(決勝最終回は)『何としてもサヨナラで勝つんだ』という雰囲気があった。思い切り良く、気持ちを前面に出して、やってくれた」と快挙を果たした選手たちをたたえた。

今回の優勝により、11月に栃木県で開かれる第26回関東・東北・北信越少年新人(中学)軟式野球大会への出場権を得た。絶好の試金石となる舞台に、植村監督は「来年の3月に向け、今の自分たちの力を測るありがたい機会」と意気込む。

大島彰悟主将(2年)は、今秋と来春に控えた全国の強敵との戦いに向け「まずは1勝が目標。練習してきたことを全部発揮して、勝っていければ」と力を込めた。

野球部伝統の円陣声出し。植村監督は「声が出せる、互いにコミュニケーションを取れるのがチームの強み」と話す(チーム提供、14日、長岡市悠久山球場)

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