22日に衆参補選 結果次第で… 政治評論家・角谷浩一氏に聞く 20日から臨時国会

角谷浩一氏

 臨時国会が20日開会する。会期は12月13日までの55日間で物価高対策の補正予算案を審議予定。22日には衆参補欠選挙があるが横浜市出身の政治評論家・角谷浩一氏は「結果次第で会期内の衆院解散もあり得る」と予測する。同氏に岸田文雄内閣の今後について聞いた。

 ─衆院長崎4区、参院高知・徳島選挙区の2補選の見通しは。

 「当初は共に自民が優勢だったが参院は野党が逆転、衆院は接戦となっている。参院は総選挙でもめた後藤田正純徳島県知事と自民徳島県連との和解ができなかった影響が大きい。衆院は立憲民主党の泉健太代表と距離を置いていた小沢一郎旧民主党代表が現地入りして陣営を指揮。挙党態勢で巻き返している。自民2敗もあり得る情勢だ」

 ─仮に自民2敗となれば衆院解散は遠のくか。

 「そうとは言い切れない。防衛財源確保のための増税は不可避であることなど先に行くほど政権にとって厳しくなる。また『岸田総理では戦えない』との逆風が吹き出す可能性も濃厚だ。急ぎ解散を断行せざるを得なくなるかもしれない」

 ─最短の総選挙の想定シナリオは。

 「所信表明演説を行い、代表質問で野党の意見を聞いた上で解散、というコース。不意打ち狙いだ。実際、2年前の総選挙前は代表質問のみで予算委員会をやらずに解散し自民だけで絶対安定多数を確保した。その成功体験が首相の念頭にはあるはずだ」

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