NASA木星探査機ジュノーが撮影した衛星イオの最新画像

こちらはアメリカ航空宇宙局(NASA)の木星探査機「Juno(ジュノー)」に搭載されている可視光カメラ「JunoCam(ジュノーカム)」を使って撮影された、木星の衛星イオの姿です。溶岩流によってオレンジ色と茶色の斑模様になっている表面の色合いが印象的です。明暗境界線の付近ではそびえ立つ山々も少し目立っています。

【▲ 木星の衛星イオ。アメリカ航空宇宙局(NASA)の木星探査機「Juno(ジュノー)」の可視光カメラ「JunoCam」で2023年10月15日に撮影(Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin M. Gill)】

イオは1610年にガリレオ・ガリレイが発見した木星の4つの衛星、いわゆる「ガリレオ衛星」の1つです。イオでは木星や他の衛星との相互作用による潮汐加熱(※)を熱源とする火山活動が起きていることが知られていて、その様子は木星探査機だけでなく地上の望遠鏡でも観測されています。

※…別の天体の重力がもたらす潮汐力によって天体の内部が変形し、加熱される現象のこと。

JunoCamの画像は一般の人々が利用できるように順次公開されていて、数多くの市民科学者が様々な画像を作成しています。冒頭の画像はJunoによる55回目の木星フライバイ(近接通過)「PJ55(Perijove 55)」が実施された日本時間2023年10月15日にイオから1万1645km離れた場所で取得されたデータをもとに、市民科学者のKevin M. Gillさんが作成しました。GillさんはこれまでにもJunoCamのデータをもとに様々な画像を作成・公開しています。

【▲ 木星(右上)とその衛星イオ(左下)。アメリカ航空宇宙局(NASA)の木星探査機「Juno(ジュノー)」の可視光カメラ「JunoCam」で2023年10月15日に撮影(Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin M. Gill)】

Junoのミッションはもともと2018年までの予定でしたが、現在は2025年9月までの延長ミッションに入っています。延長ミッション中には木星だけでなく衛星の観測も行われており、2021年6月にはガニメデ、2022年9月にはエウロパのフライバイ探査が行われました。

NASAによると、Junoによる次のイオのフライバイ探査は2023年12月30日に実施される57回目の木星フライバイ「PJ 57」の一環として行われます。PJ 57でJunoはイオから約1500km離れたところまで接近して観測を行う予定です。

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文/sorae編集部

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