“平尾誠二”本木雅弘ד山中伸弥”滝藤賢一の友情物語に、佐久間由衣、坂東龍汰、賀来千香子、濱田岳、倍賞美津子が出演

ワールドカップ開催で注目が集まる日本ラグビーの礎を築いた“ミスター・ラグビー”平尾誠二さんを本木雅弘が、「ヒトiPS細胞」の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授を滝藤賢一が演じ、異なる分野で活躍する2人の知られざる友情物語を描くドラマ「友情~平尾誠二と山中伸弥『最後の一年』~」が、11月11日(午後9:00)にテレビ朝日系で放送される。そんな2人の友情と、平尾さんを支え続けた家族の愛を描く本作に、佐久間由衣、坂東龍汰、賀来千香子、濱田岳、倍賞美津子の出演が発表された。

平尾誠二(本木雅弘)は、日本代表として活躍し、代表監督も歴任した元ラグビー選手で、神戸製鋼コベルコスティーラーズ総監督兼ゼネラルマネジャー。「2019年のワールドカップ日本大会を成功させたい」「1試合でもいいから、東日本大震災の被災地・岩手県釜石市で試合を行いたい」という熱い思いを抱いていた矢先、彼を襲ったのは突然のがん宣告だった。普通ならろうばいするところを持ち前の明るさとおおらかさで冷静に受け止め、病と闘う決意を固める。雑誌の対談で意気投合した平尾と親交を深め、家族ぐるみの付き合いをする親友となっていたノーベル生理学・医学賞を受賞した医師・山中伸弥(滝藤賢一)は、平尾ががん宣告を受けたことを知り、医師として治療法や病院探しに奔走する。これは、病と闘い続けた平尾と山中、そして家族が過ごした最後の1年の物語。

平尾と石田ゆり子演じる妻・惠子の長女・大塚早紀を演じるのは佐久間由衣。佐久間は「実際に早紀さんにお会いする機会がなかったのですが、だからこそ愛と敬意をもって、自分が思う形で思いきりやらせていただこうと思いながら演じさせてもらいました」と述べ、さらに「本木さんと石田さんと坂東くんと一緒にお芝居をしていると、自然と家族が出来上がっている感じがしました。すごく助けていただきましたし、お芝居ではあるのですがいろいろと込み上げてくるものが多い現場でしたね」と撮影を振り返った。

父の病状を知った早紀は、大きなショックを受けながらも「パパの前で絶対に泣かないで」という母の言葉どおり涙をこらえて明るく振る舞う。佐久間は「いざ、本木さんを目の前にした時に、すごく胸に迫るものがありました。役者さんとして感銘を受けた部分もあり、お父さんとして“そこにいる”感じがすごく伝わってきて感極まってしまいました」と本木の迫真の演技について語った。

長男・平尾昴大を演じるのは、坂東龍汰。ニューヨークに留学中の昴大は、病に倒れた父に会いたい一心で一時帰国する。父と一緒に過ごす時間をかみしめ、父と交わした言葉をしっかりと胸に刻む。実は昔から本木の息子役をやってみたいと思っていたという坂東は「本木さんが撮影中にどんどん痩せていかれるのを間近で見ながらの撮影だったんです。本当に心配になってしまうくらいでした。でも、僕が感じた気持ちをそのまま表現することができたと思います」と述べている。

また、「家族がそろうシーンでは、毎回笑いが起きていて、リアルに家族になったような感覚でした。本木さんが常に明るく、笑顔を絶やさずいてくださって、本木さんの冗談にみんなが笑うというような何げない会話の延長でシーンが始まり、気付いたら終わっているという不思議な経験をさせていただきました」と緊張を感じさせない撮影だったという。

平尾にがんを告知する甲南病院の佐川副院長を演じるのは賀来千香子。プライベートで惠子さんと仲がよく、生前の平尾さんとも交流があった賀来は無事に撮影を終え、「平尾さんやご家族をよく存じ上げているので、不思議な緊張感のある現場でした。こういう感覚は初めてなんですが、無事に撮影が終わって肩の荷が下ろせたような気持ちです」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

さらに、「病気を告知するシーンは、テストの時からグッときてしまって…。お医者さまって大変だなと思いましたし、実際に身近な人のお話なのでご本人やご家族のことを考えると胸が押しつぶされる思いでしたが、この作品においても大事なシーンだなと思いながら撮影に臨みました」と丁寧に演じたことを語った。

山中の尽力で平尾が治験を受けることになる大阪府立成人病センターの井岡医師を演じるのは濱田岳。自身もラグビー経験者の濱田は、撮影後に「この作品でラグビー界のスーパースター・平尾さんの人生に少しでも触れられたことはすごく幸せな経験でした。以前、ドキュメンタリーでナレーションをした際、平尾さんの壮絶な闘病生活を勉強させていただいたので、短いシーンではありましたがフラットな状態で臨むよりはだいぶ感情移入してしまった気がしています」としみじみ。

また、「クランクインの日に、メークルームで本木さんにごあいさつさせていただいたんですが、その瞬間、『平尾さんだ!』と驚きました。そこに平尾誠二さんが立っている感覚に陥ったような気持ちになって、初日は不思議な緊張をしていました。もちろん俳優として先輩と芝居をするという緊張もあるんですが、全く別世界の先輩に会っている感じといいますか、例えば野球少年がイチローさんに会うような…そんな感覚に似た緊張をしたのをすごく覚えています」とのエピソードも披露した。

そして、平尾の母・平尾信子役には倍賞美津子が扮(ふん)する。容態が悪化し、意識もうろうとする平尾の病室に駆けつけた信子は、息子に力強く呼び掛ける。すると、平尾が意識を取り戻し、奇跡的な回復を見せ始め…という強い母の愛を希代の名女優が演じる。

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