沖縄県の離島の中学生たちが「オンラインバスケ部」で部活動を満喫

10月22日(日)、近畿日本ツーリストは沖縄県の渡嘉敷村立渡嘉敷小中学校の中学生を対象として実施しているオンラインバスケ部の取材会を開催した。

近畿日本ツーリストは長年にわたる修学旅行業務で教育現場と深いつながりがあることを活かして、学校サポート事業も手掛けている。オンライン部活は、学校サポート事業の一つである部活サポートサービスの一環だ。

現在、学校の部活動は国の方針で、段階的に地域・民間へ移行する改革が行なわれている。こうした取り組みの中で、各地の教育委員会は、指導者の確保、活動場所の確保・管理といった課題に直面している。近畿日本ツーリストの部活動サポートサービスは、こうした課題の解決を手助けすることを目的としているのだ。

部活動サポートサービスは生徒にもメリットがある。例えば、これまでであれば離島や山間部など生徒数の少ない地域の学校では、生徒が選べる部活の選択肢は少なかった。だが、部活動サポートサービスによって、住んでいる地域に関わらず生徒は専門的な指導を受けられるようになるのである。

遠隔地からコーチが指導

渡嘉敷小中学校でのオンラインバスケ部は、10月7日(土)に第1回、10月14日(土)に第2回の練習が行なわれ、今回の取材会が開かれた10月22日(日)には第3回の練習が行なわれた。

部活の指導を担当するのは、沖縄県内で運営されているキングスバスケットボールスクールのコーチ陣。コーチたちは沖縄市の沖縄アリーナから、渡嘉敷村の学校の体育館にいる中学生たちに遠隔指導を行なった。

今回の練習には特別ゲストとして、琉球ゴールデンキングスU18の須藤春輝選手も参加。沖縄アリーナにいる須藤選手はカメラ前でシュートのお手本を披露。体育館の生徒たちはモニターを通じて、それに見入っていた。

生徒たちは須藤選手のフォームを参考に、シュート練習を開始。要所要所で、コーチ陣は体育館のカメラ前に生徒たちを集合させて、アドバイスを送った。その際に、コーチ陣が生徒たち一人一人の名前をしっかりと呼んでいたことが印象に残った。

直感的に扱えるツールを活用

近畿日本ツーリストは、渡嘉敷小中学校で2022年11月~2023年2月の期間に、eスポーツ部とダンス部でオンライン部活のトライアルを実施しているが、そのときと比べると遠隔指導のためのツールがさらにブラッシュアップされたという。

ツールの操作はシンプルで、直感的に扱うことが可能。画面上に手書きで書き込める機能も導入され、言葉だけでは伝えづらいことも手書き入力で指導することができるようになった。

練習後、指導を担当したヘッドコーチの与那嶺翼氏は「離島には自分たちの活動を届けることが中々できていなかったので、オンライン指導ができたのは自分たちとしても嬉しかった。元々オンライン活動をやっていきたいという思いがあった中、こういうチャンスをいただいたので、今後もどんどん回数を増やして沖縄を元気にできるように努めていきたい」と語り、近畿日本ツーリストの教育旅行事業部の宮崎敏行氏は「今後も継続する形で、別の離島地域にも、この取り組みを広げていければ」と語った。

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