トナーリの二の舞にはさせない。ラ・リーガが違法賭博行為撲滅へ行っている取り組みとは

写真:長期出場停止の可能性が報じられているトナーリ ©Getty Images

イタリア代表のサンドロ・トナーリはACミラン在籍時代、自身の所属クラブの試合に関与した違法賭博行為の容疑がかけられ、10ヶ月の出場停止処分が下される可能性が高まっている。今季加入したニューカッスルでは中盤でのポジションを確保し、イタリア代表にもコンスタントに招集されていることを考えると、23歳という年齢で10ヶ月の出場停止となれば、今後のキャリアに大きな影響を与えかねないだろう。

長期間の出場停止は選手自身のキャリアにだけではなく、所属クラブ、そしてファンに対しても影響を及ぼす行為であるため、違法賭博行為の撲滅はサッカー界全体が取り組むべき問題である。スペイン『Marca』電子版は、こういった事態を未然に防ぐべく、ラ・リーガがリーグ加盟チームを対象に行なっている取り組みを紹介している。

ラ・リーガはリーグに加盟するチームの選手、またそのユースチームの選手を対象にした講習会を年に1、2回行なっており、対象選手の講習会参加は義務付けられ、参加した証として署名することも義務付けられているという。

講習会では禁止されている行為、違反に当たらない行為について明確に説明を行い、違法賭博行為についての理解を深める場としている。具体的にはラ・リーガに所属する選手は1部であっても2部であっても、ラ・リーガ主催のゲームへのベッティングは禁止されている。また、スペインサッカー連盟主催のコパデルレイにおいて、たとえ所属チームが敗退した場合でも、以降のゲームへのベッティング行為は禁止されている。これに反した場合、競技規則法6条に基づき1,200〜100,000ユーロ(約19〜1600万円)の罰金が課され、プレー資格が剥奪される可能性があるという。

また、選手の親族のベッティングの不可に関して、倫理部門のトップを務めるイニャキ・アルベア氏は賭けを行わないよう勧告している。「選手しか知らない情報を親族が扱い、その情報を共有していることを非難される可能性がある。また、そのことが世に出回ると、精神的にとてつもないダメージを負うことになる」

続けてアルベル氏は過去の事例を挙げた。「キーラン・トリッピアーがアトレティコ・マドリード移籍時に、その情報を友人と共有していた例もある。また、週末の試合で監督が5バックを採用する情報を共有し、ロースコアゲームに賭けるといった例もある。今挙げたのはほんの一部であり、選手がカードを意図的にもらい、それに賭けるといった行為は、ゴールを意図的にプレゼントするのと同じくらいの犯罪性がある」

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