“エル・クラシコ”を目前に控え、イギリス在住視聴者に過去の悪夢がよみがえる?「ネイマールのゴールを……」

写真:イギリス国内では、過去に“エル・クラシコ”をめぐる問題が…… ©Getty Images

イギリス国内において、テレビでのサッカー観戦に関する議論が再び白熱している模様だ。

スペインメディア『Relevo』によると、現在イギリスではある試合を目前に控え、テレビでのサッカー観戦における長年の伝統を変えたいという声が多数挙がっているという。

その「ある試合」とは、現地時間10月28日に行われるラ・リーガ第11節のバルセロナvsレアル・マドリード、“エル・クラシコ”だ。

イギリスには、通称“3 pm Blackout Rule”と呼ばれる規則が存在する。それは、土曜日の午後2時45分から午後5時15分の間はプレミアリーグ、EFLチャンピオンシップ(2部)、FAカップなどが生中継されないというもの。特に下位リーグの試合の観客動員に悪影響を及ぼす恐れがあることから、1960年代に同規則が規定された。だが、この“3 pm Blackout Rule”は多くのファンに不評で、たびたび廃止を求める声が挙がってきた。

『Relevo』は「この規則はイギリス国内の試合に影響するだけでなく、同時間帯の海外リーグも放送できなくなる」と指摘。過去の“エル・クラシコ”で起こった出来事を実例として紹介した。

「過去にイギリス国内では、午後5時開始のバルセロナvsレアル・マドリードの試合を見ることができず、すでに試合が15分間行われた時点で放送が始まったことがある。そのときは、4分にネイマールがゴールを決めたが、視聴者はそれを見逃した。2022-23シーズンにも同じことが繰り返された。イギリス在住の人々は、ラ・リーガのビッグマッチをフルで見ることができない可能性があるのだ」

幸い、今回の“エル・クラシコ”は23時15分キックオフのため、“3 pm Blackout Rule”のあおりを受ける心配がない。だが、イギリス在住で“エル・クラシコ”を楽しみにしている人々の中には、過去に味わった苦い経験がよみがえった者もいた模様だ。ラ・リーガのイギリス支部マネージングディレクターであるキーガン・ピアース氏は、次のように語っている。

「スタジアムの観客動員を促進する方策を全面的に支持する一方、“3 pm Blackout Rule”は国内サッカーのテレビ中継に限定されるべきであり、海外の大会に適応されるべきではないと考えている。今後、数カ月にわたって議論していくつもりだ」

今季のレアル・マドリードでは、イングランド代表MFジュード・ベリンガムが抜群の存在感を放っており、イギリス国内における“エル・クラシコ”の関心度も例年になく高い。今後、早い時間帯に“エル・クラシコ”が開催されるケースも見越して、“3 pm Blackout Rule”廃止の要望が増していくことはほぼ確実だろう。

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