「こういうのがいい」西山潤×田中美麗を直撃! 2人が考えるフリーダムフレンドの条件…西山が“絶対に譲れないポイント”とは?

ABCテレビで本日10月29日からスタートする新ドラマ「こういうのがいい」。恋人からの束縛にウンザリしていた村田元気(西山潤)と、日々の振る舞いや言動にまで厳しく注意しては自分のモラルを押し付けてくる彼氏にへきえきしていた江口友香(田中美麗)がオンラインゲームのオフ会をきっかけに出会い、お互いを気遣うことも気負うことなく、なんでも話せてエッチも気楽にできる不思議な男女の関係・フリーダムフレンド(=フリフレ)となった2人の日常を描いています。

ユーモアのある独特な世界観を持つ村田と性に奔放な友香、個性的な2人を描いた作品の実写化は大きな注目を集めていますが、ドラマでは村田を西山潤さん、友香を田中美麗さんが演じることに。初共演となる2人を直撃すると、「あっという間だった」という撮影期間を振り返ってくれました。

――まずは、原作を読まれた感想を教えてください。

西山 「最初に“少しエッチな作品”と聞いた上で原作を読ませていただいたのですが、描かれている日常の部分がすごくゆったりとしていて心地よく読み進められました。その中に入ってくるエッチなシーンというのがアクセントが効いていて、シンプルに日常系漫画としてすごく面白いなと思いました」

田中 「私はこのお話をいただいた時にまだ何も聞かされていなかったので、自分で検索をしてみたら『とてもエッチだ!』と思って(笑)。『これを実写化するのか』という驚きの方が大きくて、エロに貪欲な役でもあったので、ドラマとしてどう描かれていくのかも含めて楽しみではありましたね。読んでみると、漫画といったら起承転結みたいなのがあって、盛り上がってちょっと挫折してというストーリーが多いと思うのですが、エッチしてご飯を食べて寝てみたいな、普通の人間らしい日常が描かれていて、それが漫画になっているのは斬新だと思いますし、当たり前の日常だけどひかれるところもあったので、読んでいて入り込んじゃいました」

――それぞれ演じられている役についてはどんなことを感じましたか?

西山 「演じる上で一番大切だと思ったことが、“そのままでいること”。村田としてそのまま生きることが大切だなと思ったんです。演出でもかなり長回しのシーンが多かったので、『何かをしよう』という気持ちを捨てようと思いました。村田というキャラクターのインプットの量は、いつもよりも何倍も丁寧に時間をかけて行い、演じる時は何もせず、インプットしたものをそのまま出すという作業を繰り返していました」

――西山さんにとっても、こういった役作りは初めての経験でしたか?

西山 「そうですね。ベースは変わらないですが、普段だとどうしても何かしたくなってしまうというか、『あ、この役だったらどうかな』という一瞬の迷いのようなものが絶対に生まれる時があって。でも、今回はそれをゼロにすることが目標だったので、村田が生まれたところから、普段何を考えているか、何を食べているかまで、こと細かにインプットするようにしていました。それこそ、日常を描いてる以上、村田の日常をインプットしなければいけないので、その情報量は膨大でしたね。自分の中でも『ここまでやったら次の作品からも幅が広がるな』と、役者としての新しい発見もあったので楽しかったです」

田中 「私は実写作品が初めてだったので、とにかく漫画を読もうと思って。朝起きて読んで、移動中の電車でもスマホで読んで、寝る前も読んで、1日中『こういうのがいい』に向き合って生活していたのですが、友香という役は性に対してとても開放的で、性欲にあふれている女性も新しいなと思って、演じるにあたって初めてエッチな動画や写真を見たりしました。あと、友香自身ゲーマーなのですが、私が本当にゲームに無頓着でその世界を全く知らなかったので、ゲームをちょっとやってみたりと、日常的に田中美麗が江口友香になった感じで、最初はいろいろと探り探りだったのですが、『原作がすべてだな』と思ったので、原作のファンの方を意識しつつ、私たちらしさを大事にしながら撮影には挑みました」

――田中さんは役作りで髪色をピンクに染められましたね。

田中 「5時間半かかったんです(笑)。でも、染めていくうちに自分が友香になったというか、最近は日常的にも友香みたいな口調になっちゃうんですよ」

西山 「裏でもなってたよね(笑)。リアクションとかもたまに友香っぽいんですよ」

田中 「オタクチックなセリフ回しが多いのですが、ナチュラルに言っていますね。電車でも『どっこらしょ』とか言ったりして、気を付けなきゃと思っています(笑)。でも、ちょっと似ている部分があるからこそ、すごくナチュラルに入り込めたのかもしれないですね」

西山 「髪色が変わったのを見て、僕も『めっちゃ友香だ!』と思いましたし、『ピンクがいい。ずっとピンクでいてほしい』というくらい、田中さんのピンク髪は個人的に好きでした」

――作品を通して印象的なセリフやシーンはありますか?

西山 「僕が好きなのは『恋人っている? いらない?』という、結局恋人ってどういうものかを問うシーンがあって、そこであらためて『恋愛ってなんだ? 恋人ってなんだ?』と個人的にも考えましたし、友香と村田の中でも不明瞭だったものが“ある結論”に至って、そこがこの作品のテーマとしても表れていたのではないかと。撮影でも監督と結構相談して、感情を出してしまうと恋をしたい人になってしまう、でも別にそういうわけではない絶妙なラインを芝居で攻め合えたことはすごく印象的です」

田中 「私は最終話のシーンが本当に好きで。この作品って三大欲求がメインというか、食べて、エッチして、寝て、みたいな日常を最初から最後まで繰り返す中で、ところどころキャラクターたちの本音や心の声も描かれていて。終盤に入って、フリフレ関係も慣れてきて本心を語り合うシーンがあるのですが、そのシーンは原作にもあって、フリフレという関係だけどその空気感がすごくすてきで。最終話まで見ていただけると、エッチだけじゃないお互いの本心が見えるシーンは『こういうのいいな』と思えるかもしれないです。お互いを信頼しているけど、恋人じゃないからある程度お互いに配慮したり、気を使う部分ってあるじゃないですか。そこがすごく良くて、村田が友香に話してくれる言葉も毎回泣きそうになっちゃうんです」

西山 「なんか泣きそうだったよね?(笑)」

田中 「すごく響いちゃうんですよ。友香もあんなキャラだけど、繊細な心を持っている子だから、ああいう優しい言葉をかけられると揺さぶられちゃうんだろうなと思って。人間の三大欲求だけではないところも見どころなのかなと思います」

――すでにクランクアップされたとのことですが、撮影が終わった今、「考えが変わったな」と感じることはありますか?

田中 「私は達成感がすごかったこと、あとは人として強くなったと思います。友香のおかげで新たな世界も知れましたし、感情の動き方だったり、失いつつあった何かを得られた気がしますね。役を通しても、撮影を通しても、友香に鍛えられました」

西山 「今回、村田と友香という優しい心の持ち主2人が会話している中で、2人から学んだことが一つありました。2人って、会話をして、お互いの気持ちをちゃんとキャッチボールしていて、そこから生まれたのがフリフレという関係だったと思うんです。恋人などは関係なく、人からもらう愛と人にあげる愛はちゃんとキャッチボールをしなきゃダメだなと考えさせられました。そうやった先に生まれたものが村田と友香はフリフレだったわけで、そういうキャッチボールは僕としてもあらためて周りにいる人たちと大事にしていきたいなと思いました。昨日、『明日取材だな。もう撮影終わっちゃったんだよな』と思いながら台本を読み返していたら、『この2人めっちゃいいじゃん! こんな2人いないよ!』と思い返していました(笑)」

――お二人は今作が初共演になりますね。撮影期間で距離は縮まりましたか?

西山 「だいぶ縮まったと思うんですけど、どうですか?(と田中さんの方を見る)」

田中 「縮まりましたね〜。裸に近い関係といいますか」

西山 「裸の付き合いならぬ、“ベッドシーンの付き合い”というかね(笑)。クランクインがラブホテルだったので、そこから入れたことも結構大きかったです。会って2回目で『いきなりベッドシーンでどうなるんだろう』と緊張もしていたのですが、初っぱなでいきなりベッドシーンだったことは大きかったですね」

――お互いの第一印象はどんな印象を持たれていましたか?

西山 「めっちゃ緊張してたよね?(笑)」

田中 「(小声で)してました…(笑)」

西山 「めちゃくちゃ緊張されていて、目も合わせてくれなかったんですよ(笑)。僕が『西山潤です。よろしくお願いします』とお辞儀したら、下の方を見ながら『あ…田中美麗です』とあいさつされて。『あれ、緊張されているのかな?』と思いながらも、クランクインして砕けたら変わるかなと思っていたのですが、撮影の1カ月で仲良くなれるのか、実は不安なところがありました(笑)」

田中 「私自身、こんな大役をいただいたことがなかったこともあって、プレッシャーというか『頑張らなきゃ!』と意気込みすぎてしまっていたんですね。自分でも自分じゃなかったみたいで、『頑張ろう』という意思が強すぎて何も見えていなかったんだと思います」

――田中さんにとっては休業明け1発目のドラマになりますね。

田中 「そうなんです! それもあって、意気込みすぎちゃったかもしれないです」

――実際に撮影を終えてみていかがですか?

田中 「あっという間でした! でもすごく濃くて、『半年ぐらい一緒にいたような感覚だね』と毎回メークさんやスタッフさんと話しているぐらい一日一日が濃厚で充実していて、現場も和やかで皆さん優しい方々ばかりだったので、終始楽しく撮影できました」

――西山さんは本作が初主演作ということで、座長という立場でもあったかと思います。

西山 「最初に聞いた時もうれしかったですし、僕自身、芸歴だけで言うと少しだけ長くやってきている中で初主演として現場に入ったので、結構張り切っていたんです。『座長っぽく立ち振る舞おう』『クールにいこう』と“座長感”を出そうと思っていたのですが、全然そんなことはなく、ただヘラヘラしているような座長になってしまっていました(笑)。でも『こういうのがいいか』と思っていましたね(笑)」

田中 「そんな座長に私は助けられていたので、ヘラヘラしているなんて思ったことはないです。役に向かう姿勢だったり、カメラが回っていないところでの西山潤としてのたたずまいも勉強になりました。『これが芸歴の違いか!』と思うぐらい学ばせていただけることが多かったですし、助けられましたね。『背中を見てついていこう!』という感じで、とても頼りにしていました」

西山 「いやぁ、本当に何もしてないんですけど(笑)」

田中 「とか言って〜(笑)」

西山 「美麗ちゃんとのシーンがほとんどだったので、楽しく撮影しながら熱量を持ってできたらというのはブレずにやれたので良かったです」

――作中では“フリーダムフレンド=フリフレ”がキーワードになってくるかと思いますが、初めて聞いた時はどんなことを感じましたか?

西山 「『さて、これははやるのか』と思いましたね。でも、今っていろいろな恋愛の仕方があるじゃないですか。そういう中で、フリフレというワードははやる・はやらないは別として、共感してくれる人もたくさんいるのではないかと思いました」

田中 「私は『おぉ!』と思っちゃいました。世間一般的にはセックスフレンドみたいなものがあるじゃないですか。でもそれって『なんかちょっとな』と思うんですよ。でも“フリーダムフレンド”というワードは気軽に言えますし、正直、私は『いいかも』と思っちゃいましたね」

――原作を読み込んでいくうちに、フリフレへの理解も深まりましたか?

田中 「本当にその通りで、第一印象は『エッチだ!』と思っていたのですが、読めば読むほど、一つ一つのセリフから『恋人とは?』と考えさせられる漫画だなって思うようになって。『これはみんなドラマを見た方がいい!』と思いましたね。映像で見ると、エッチだけではない、人間らしいすてきな何かが見られるのがいいなと思いましたね」

――あらすじだけ読むよりも、原作や映像を見ることでよりイメージもしやすくなりそうですよね。

西山 「間違いなくそうだと思います。あらすじだけ聞くと『そんな都合のいいことあるか!』と思うけど、実際に見てみると『こういうのいいな』『こんなのありなんだ』と思えると思いますし、その空気感は忠実に再現しているので、ぜひ見ていただきたいです」

――最後に、本作でのフリフレは「気負うことなくなんでも話せて、エッチも気楽にできる」という関係ですが、お二人にとってのフリフレの条件を何か一つ挙げるなら、どんなものにしますか?

西山・田中 「フリフレの条件…」

田中 「難しいな…でもやっぱり、相手と向き合うことじゃないですかね」

西山 「…というと?」

田中 「友香と村田ってエッチには貪欲だけど、お互いに相思相愛しているから他の人には手を出さないじゃないですか。お互いを求め合っているから他の人で欲を満たそうとしない。でも、それは村田と友香だからであって、もし友香じゃなかったら、違う人ともその欲を満たしてしまうのではないかと思うんですよ」

西山 「なるほど。第2のフリフレが出てくるか、出てこないか」

田中 「そうそう。でも、そうなってしまうといろいろと問題はあるんじゃないかと」

西山 「恋人は1人じゃないとダメだけど、セフレは1人だけっていう決まりもないじゃない? その間にあるフリフレは何人までなの?」

田中 「え〜と…フリフレは1人! だから、向き合うことが大事だと思うんです。ずっと自分でも疑問に思っていたんですよ。こんなにエッチが好きで、ずっとエロいことばかり考えているけど、恋人は作らないで村田とはフリフレの関係になる、でも村田のことしか考えていないんです。お仕事があって会えなくても『まぁいいか』で終わって、『じゃあ他のフリフレのところに行こう』という発想にならないのがこの2人の良さだと思うんですね。実は漫画を読んでいて『フリフレ第2号はいないのかな?』と気になったり、『村田のフリフレ2号は今下伊予さん(岸明日香)なんじゃないか!?』と思う瞬間があったんですよ」

西山 「そうはならないでしょ(笑)」

田中 「でも、そういう展開があってもおかしくない世界じゃないですか! フリフレってどこまでがフリフレなんだろうと思って、考えれば考えるほど(考えが)広がりますね。でも、フリフレは1人です!」

西山 「僕、フリフレのいいところでもある『干渉しすぎない』というところで一つ気になったところがあるんです。作中でもLINEを結構しているのに、『おはよう』とかって言ってないんですよ。でも、僕は『おはよう』は言いたい」

田中 「そこは譲れない?」

西山 「(キッパリと)譲れない。僕の中のフリフレはちょっと恋人寄りの感覚なので、『おはよう』は言いたいな。それ以外は自由! それがフリフレのいいところですから。変な話、恋人はできてもいいし、できたら関係は解消。作品の中でもお互いに恋人ができるかもしれないとなって『どう思う?』と聞いても『全然いいよ』と素直に言えるぐらいの関係なので、そこは自由でいいと思います。ただ、『おはよう』『おやすみ』だけは言いたい。難しいですね、これは」

田中 「このテーマは永遠にしゃべれるかもしれない」

西山 「撮影中もずっと『これはあり、これはなし』としゃべっていたんですよ。定義が新しいので、われわれが作っていかないと!」

【プロフィール】

西山潤(にしやま じゅん)
1998年7月12日生まれ、神奈川県出身。2006年に映画「サイレン~FORBIDDEN SIREN~」でデビュー後、映画「20世紀少年」(08〜09年)では主人公・ケンヂの幼少期を演じる。近年は「ドラゴン桜 第2シリーズ」「VIVANT」(ともにTBS系)、「初恋の悪魔」(日本テレビ系)、「ホスト相続しちゃいました」(フジテレビ系)、NHK大河ドラマ「どうする家康」などに出演。


田中美麗(たなか みれい)
1996年10月14日生まれ。埼玉県出身。2010年にアイドルグループ・SUPER☆GiRLSのメンバーとしてグループ活動をスタートさせ、2018年に卒業。主な出演作として、ドラマ「ファースト・クラス」シリーズ、「ようこそ、我が家へ」「ラーメン大好き小泉さん」(いずれもフジテレビ系)、「JKは雪女」(MBS)など。

【番組情報】

「こういうのがいい」
10月29日スタート
ABCテレビ
日曜 深夜0:55〜1:30
※放送終了後、TVerで最新話を見逃し配信
※DMM TVでは全話独占見放題

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取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当) 撮影/蓮尾美智子
西山潤スタイリスト/李靖華 西山潤ヘアメーク/長野一浩(MARVEE)

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