「世界初のレールガン洋上射撃試験」はやはり海自唯一の試験艦「あすか」で実施していた

By Kosuke Takahashi

防衛装備庁は海自試験艦あすかにレールガンを搭載し、洋上射撃試験を実施(同庁動画)

防衛装備庁が10月17日に発表した、世界初となるレールガンの洋上射撃試験は海上自衛隊の試験艦「あすか」で実施されたことが分かった。防衛装備庁が30日、筆者の取材に認めた。

海自も同日、陸上装備研究所が実施する「レールガン」の開発状況についてのプレスリリースを発表し、「自衛艦隊は、このような新たな装備品の研究開発に際して、自衛艦隊隷下の開発隊群に所属する試験艦『あすか』を活用しています」と明らかにした。同日付のSNSのX(旧ツイッター)への投稿では、自衛艦隊司令官の齋藤聡海将が10月19日に防衛装備庁下北試験場を訪問し、「レールガン」などの最新の装備品開発の現状を視察した模様が写真付きで紹介されている。

「あすか」は海自唯一の試験艦で、基準排水量4250トン、長さ151メートル、全幅17.3メートル。将来艦艇に必要な基礎技術や艦艇装備品の海上試験を行っている。艦首部にブルワーク(波の浸入を防ぐ囲い)を持つ平甲型船型で、各種研究・開発新装備品についての総合的な試験・評価を実施している。

海上自衛隊の試験艦あすか(写真:海自)

「あすか」は、新型装備のデータ収集や分析を行える装備を必要とするため、護衛艦並みの基準排水量と大きさを有している。「あすか」に近い大きさの護衛艦としては「むらさめ型」(基準排水量4550トン、長さ151メートル、全幅17.4メートル)や「たかなみ型」(基準排水量4650トン、長さ151メートル、全幅17.4メートル)がある。

なお、防衛装備庁はいつどこの海域でレールガンの洋上射撃試験を実施したのかは明らかにしていない。

(関連記事)

日本が開発するレールガンと高出力レーザー、共通の課題と大きな違いとは?

「世界初のレールガン洋上射撃試験」について防衛装備庁に聞いた

三菱重工、ドローンを撃墜する高出力レーザー装置の実物初公開 #DSEI2023

© 高橋浩祐