難しい時代にとるべきは対話による解決と総理

 岸田文雄総理は30日、都内で開かれた世界海上保安機関長官級会合に係るウェルカムレセプションに出席し「国際社会は協調と分断が複雑に絡み合う、誠に難しい時代に入っている」と語るとともに「地政学的な競争、気候変動を始めとする地球規模の課題、国際的なテロや犯罪の脅威、こうしたものが顕在化している」と語った。

 そのうえで「世界の人々が、それぞれの歴史的・文化的多様性を尊重しながら、力による一方的な現状変更ではなく、対話によって課題を解決していく道を求めていくこと」がとるべき行動だと呼びかけた。

 岸田総理は、今回の会合が「海上保安分野における各国のリーダーが集まり、対話を通じて共通の価値観を分かち合う、こうした重要な機会」ととらえて「対話によって課題解決の道を求める、そして国々の結束が一層固く結ばれる、こうしたことを確信している」と会合開催を歓迎し、成果に期待した。

 岸田総理は「海は、古来より交易、交流を通じて、人と人をつなぎ、そして豊かな恵み、これを与えてくれました。海は人類の繁栄・発展の礎」であり「豊かな海を未来に向かって守り抜く。次の世代にしっかり引き継いでいく。私たちの世代はその使命を果たしていかなければなりません」とアピール。そのうえで「海が法の支配の下、自由で開かれた秩序を維持することは我々人類に共通する利益であり、その先頭に立つのが海上保安機関の皆様です」と激励した。(編集担当:森高龍二)

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