日本大学は再建に向け速やかに取組みを 文科相

 盛山正仁文部科学大臣は10月31日の記者会見で、日本大学アメリカンフットボール部員の違法薬物事件に関しての法人としての問題について学内の第3者委員会からの調査報告を受け「現在、内容を事務方で精査中だが、日本大学に対しては報告書を踏まえ、再発防止、管理運営体制の再構築を含む改善計画の作成、関係者の責任所在の明確化を速やかに決めていただきたい」と迅速な対応を求めた。

 そのうえで「文科省としては日本大学が再建に向けた取組みを確実に進められるよう、しっかり指導していきたい」とした。

 日本大学の第3者委員会は副学長がアメフト部学生寮での荷物検査で鍵付き収納庫から大麻の可能性の極めて高い植物片が保管された缶を見つけた時点からこれまでの法人としての対応について「事実を矮小化し、時には、ないもとする。不都合な情報には目をつぶり、得られた情報を自分に都合よく解釈し、自己を正当化するという姿勢が全てで顕著」と強く指摘した。

 そのうえで「コンプライアンスの徹底で権限・責任の所在の明確化、危機管理についての知見の獲得(危機管理や危機管理広報についての知見を浸透させ、透明で世の中から信頼される組織運営をする必要がある)の必要」などを提言した。

 大学側は「指摘を受けた全ての事項を真摯に受け止め、再発防止策と管理運営体制の再構築を含む改善計画を迅速に策定する。また事態を招いた関係者の責任の所在を明確にし、処分を行う」と発表している。

 アメリカンフットボール部員の学生寮では2人が逮捕されているが、かかわった学生が10人超の報道もあり、かかわった学生に対する厳正な処分や再発防止、アメリカンフットボール部の在り方についても、大学としての対応が注視されている。(編集担当:森高龍二)

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