サッカー界を賑わせるサウジアラビア スポーツへの投資と規模について調査機関が明らかに

写真:2034年のワールドカップはサウジアラビア開催が濃厚とされている©Getty Images

昨今、サッカー界だけでなく、スポーツ界を賑わせているサウジアラビア。サウジアラビア国家のスポーツへの投資と規模についてデンマークの調査機関が明らかにした。

デンマーク政府から資金提供を受けているデンマークスポーツ研究所が運営する『Play the Game』の調査によると、サウジアラビアは国全体で21のスポーツと複数のスポーツイベントを合わせ、計312件のスポンサー契約を結んでいるという。イギリス『BBC』が報じている。

この調査でサッカーは、全312件の契約のうち83件がサッカー関連の契約であり、モータースポーツ(34件)とゴルフ(33件)が次に続く。取引のうち、139件はサウジアラビアの政府系ファンドである公的投資基金(PIF)に直接関連していると報告されている。

PIFはプレミアリーグのニューカッスルを所有しており、今年6月にはサウジ・プロフェッショナルリーグの強豪4クラブ(アル・ナスル、アル・イテハド、アル・ヒラル、アル・アハリ)を買収した。

ニューカッスルは6月、PIF所有のイベント会社『Sela』とユニフォームの胸スポンサー契約を結んだ。この契約によって、年間約2500万ポンド(約45億円)のスポンサーフィーを得るとされている。これは現在、サッカー界がサウジアラビアと結んでいる数多くのパートナーシップの一例である。

また10月には、サウジアラビアの観光局『Visit Saudi』がアフリカ・スーパーリーグのメインスポンサーとなり、アジアサッカー連盟の公式グローバルパートナーにもなった。スペインのラ・リーガともスポンサー契約を結んでいる。

『Play the Game』のスタニス・エルスボーグ氏は調査を行った理由について、『BBC』に対して以下のように語った。

「サウジアラビアのスポーツ戦略は、スポーツ内外で重要な地位を占める少数の人によって運営されている。少数の人がスポーツ界の代表だけではなくサウジアラビアの代表として振舞っている。その少ない人数によって、サウジアラビアが世界の政治に関与し影響を与えていることを示したかった」

サウジアラビアはFIFAクラブワールドカップ、スペイン、イタリア、トルコのカップ戦の決勝、そして2027年アジアカップの開催地となる予定で、2034年のFIFAワールドカップの招致も目指している。

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