「重責もやりがいもある」沖縄出身の裁判官、母校の後輩にエール 司法試験合格の道のりも 開邦中学・高校で講演

 那覇地裁の裁判官を招いた出前講義が10月17日、沖縄県立開邦中学・高校(渡久平元一校長)であった。同校出身の石川颯人裁判官と、東京都出身で夫が県出身の島尻香織裁判官が登壇。対象年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられた「裁判員制度」について説明した他、裁判官を志した歩みを振り返り、生徒にエールを送った。

 石川裁判官は、市民が重大な刑事事件を裁く制度について解説。「参加者のアンケートからも『貴重な経験になった』との声がある。将来の選択肢に影響を与えることもあるし、若い皆さんに参加してもらうのを楽しみにしている」と語った。

 司法試験に合格するまでのエピソードなども披露。裁判官という職業については「他人の紛争に介入し、判断がしんどいこともあるが、重責と共にやりがいがある」と述べた。

 島尻裁判官は黒の法服を持参し、「何にも染まらない、中立・公正といった裁判官の精神を色で表している」と説明。「裁判官は家庭との両立も図りやすい職業」と紹介し、「事案の本質を見失わないよう仕事をしている」と話した。

 生徒に向けて「皆さんは無限の可能性にあふれている。いろいろなものに目を向けて全力で楽しんで、彩りある人生を送ってほしい」と激励した。

(社会部・新垣亮)

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