現代版「大山詣り」は宿坊でリラックス 伊勢原でヨガや散策体験会

宿坊でのヨガセッションなど新たな「大山詣り」を体験する参加者ら=5日、伊勢原市大山の宿坊かげゆ

 江戸時代から続く「大山詣(まい)り」を現代版にアレンジし、心身をリフレッシュしながら大山の自然や歴史を楽しむ体験会が5日、神奈川県伊勢原市内で行われた。参加者は宿坊でのヨガや豊かな自然の中での散策など、非日常の週末を楽しんでいた。

 現代にも引き継がれる大山詣りは、参拝者が講と呼ばれる同業者組合や町内会の団体を組織し、旅行のようにお参りを楽しむ風習で、講の一行を宿坊の主人が先導師として迎えている。沿線の観光活性化を図る小田急電鉄と宿坊が提携・企画した。

 この日、先導師が講の歴史や経緯を説明し、おはらいで清めた後に、静寂な雰囲気の中でヨガを実践。都内で教室を主宰するセラピスト・Kimiyoさんが指導し、参加者は登山前に自分の心身と向き合い、体の重みや疲れなどに対処する呼吸やストレッチに取り組んだ。また、大山阿夫利神社下社への散策と参拝などを行い、秋本番を迎えた大山地区を満喫していた。

 東京都内から参加した女性は「講の歴史は知らなかったので勉強になり、宿坊のヨガでリラックスできた」と表情を崩した。

 宿坊を提供した内海正志さん(72)は「宿坊は敷居が高いと言われてきた。こういう体験を通じて関心を持ってもらえたら」と話していた。

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