【聞かせて】No.835「阿部 俊昭さん・認知症理解への普及啓発に取り組む『やまぐち希望大使』」

 認知症への社会の理解を深めるために自身の体験を発信する「やまぐち希望大使」に2023年8月、任命された。国が全国各地で普及を進めている取り組みで、山口県は2023年初めて5人に委嘱した。

 「『認知症=終わり』と思われがちだが、そうではなく、私にとってはスタートだった。同じような症状で悩む人の希望になれたことが何よりもの喜び」と話す。

 2017年に57歳で若年性認知症と診断。最初の約2年間は家族も周囲に知られたくないと思っていたという。

 2019年に認知症カフェサミットで、認知症当事者の丹野智文さんと出会い「彼のように発信者になりたい」と感じた。現在は講演活動の他に、「ほっとカフェ平川」のマスターとしても活躍中だ。

 好きな言葉は「たとえ明日、世界が滅亡しようとも今日私はリンゴの木を植える」。

【プロフィル】1959年愛知県名古屋市生まれの64歳。神学校在学中に現在の妻の孝子さんと出会い、結婚を機に山口市へ。山口福音教会の副牧師を務めた後、1991年に保育園「こひつじえん」、翌年に鴻南福音教会を開いた。現在も牧師の活動を「無理なく」継続。

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