「ラーメン×カレー」と「青汁×チューハイ×鍋」消費者が支持するコラボは人気メニューそれとも健康志向?

野菜の王様!ケールたっぷりスパイシーカレー鍋(チムニーのニュースリリースより)

消費者の支持を集めるのは、人気メニュー同士のコラボなのか、それとも健康志向のコラボだろうか。

ラーメンチェーン「山小屋」などを展開するワイエスフード<3358>は、カレーチェーンのゴーゴーカレーグループ(金沢市)とライセンス契約を結び、ラーメンとカレーの両方が味わえるコラボ店舗を出店する。

一方、「はなの舞」などの居酒屋を展開するチムニー<3178>は、化粧品や健康食品を手がけるファンケル<4921>と、ビール大手のキリンビール(東京都中野区)の両社と連携して、青汁を用いたコラボの新メニューをチムニーの285店舗で販売する。

総務省の家計調査によると、外食への支出額は回復傾向にあり、コロナ禍前の水準にほぼ並んできた。インバウンドなどの需要もあり、外食産業の回復傾向は今後も続くものと思われるが、どのように需要を取り込んでいくのか。他社とのコラボは話題性があるだけに、実施例は増えそうだ。

互いの客層の幅を拡大

ワイエスフードは同社の北九州市の既存店「九州筑豊ラーメン山小屋 小倉コロナワールド店」を、ゴーゴーカレーとのコラボ1号店として2023年12月15日にオープンする。

「金沢カレー」をチェーン展開するゴーゴーカレーが、北九州市への出店を検討していたことからコラボに踏み切った。両社は今後連携を深めコラボ店舗の拡大をはじめ、互いの客層の幅を広げることでブランドの定着や収益性の向上などを目指す。

ゴーゴーカレーは国内外に約100店舗を展開しており、2017年に金沢の老舗インドカレー店「ホットハウス」を、2019年に金沢カレーの元祖「ターバンカレー」を事業承継型M&Aで傘下に収めている。

ワイエスフードは国内84店舗、海外25店舗(2023年9月)展開しており、ラーメン事業だけでなく、他社との業務提携などにより他業態を取り込んでいく方針を表明している。

ケールを用いた鍋やサワーを開発

一方、チムニー、ファンケル、キリンビールのコラボは、ファンケルの国産ケール100%の青汁へのこだわりに共感したチムニーが声をかけ実現した。

ケールたっぷり氷結無糖レモンサワー(チムニーのニュースリリースより)

ビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富なケールに、トマトやキャベツ、パプリカなどのたくさんの野菜を加えた「野菜の王様!ケールたっぷりスパイシーカレー鍋」をはじめ「鶏黄金鍋」「海鮮ちゃんこ」など自宅ではなかなか食べられない6種類の鍋を用意。

さらにファンケルの苦味やえぐみのない国産ケールとスッキリとしたキリンの「氷結無糖レモン」を組み合わせた「ケールたっぷり氷結無糖レモンサワー」を開発した。

外食産業はコロナ禍で大打撃を受けたが、行動制限や時短営業などがなくなった後は回復の傾向が表れている。だがその一方で、ソニー損害保険(東京都大田区)が2023年3月に公表した調査で、食品などの値上げに伴い「外食」が支出を控える習慣の第1位になるなど、先行きに不安材料もある。

コロナ禍が落ち着いてきた後の物価高という荒波にどう備えるのか。外食企業にはコラボのほかにも、さまざまな工夫が求められそうだ。

文:M&A Online

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