辺野古の軟弱地盤 在沖米軍の幹部も懸念「滑走路が沈む場所での基地建設は難しい」 普天間を維持したいかは「イエスだ」

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、在沖米軍幹部は7日、大浦湾側の軟弱地盤が軍事上、影響を与える問題かどうかの見解を問われ「仮に修正できなければ影響を与えるかもしれない」との考えを示した。「修正」は地盤改良を指しているとみられ「(滑走路が)沈むような場所では(建設は)難しい」との懸念を示した。県内外の報道各社を対象に在沖米四軍が合同で開いたメディアワークショップで、記者団の質問に通訳を介して答えた。(政経部・山城響)

 同幹部は、約2800メートルある滑走路の長さなど普天間飛行場の有用性を強調。辺野古に代替施設が完成した後も、普天間の機能を維持したいかどうかを問われ「軍事的な立場だけで言えばイエスだ」と答えた。

 同幹部は日米両政府による1996年の普天間返還合意を重視する立場。ただ、中国の台頭など、現状の安全保障環境を踏まえると、海兵隊基地は普天間に置く方が機能性は高いとの考えを示した。政治的な要素を除き、軍事的視点に立って考えた場合だと強調した。

 また、普天間飛行場が位置する本島西側は、周辺の標高が高い辺野古に比べて地理的に遮るものがなく、レーダーがクリアだと説明。同飛行場は戦略的・地理的に重要だとした。「長い滑走路はどのタイプの航空機も離着陸できる」と強調し、辺野古に移った場合は機能が低下すると言及した。辺野古の滑走路はオーバーランに備えた補助部分を含めて約1800メートルで、普天間より短く設計されている。

 辺野古は普天間飛行場にはない係船機能付き護岸などがあり「利点もある」と述べた。辺野古について、専門家は早くても2037年の完成を予想していると指摘。一方で、台風などの自然災害での工事の遅れは加味されていないとした。

在沖米軍幹部の主張

© 株式会社沖縄タイムス社