強盗殺人容疑の28歳の男 元勤務先の社長は「1200万円くらい横領された…」【長野・伊那市】

去年12月、伊那市で80代女性が殺害された事件で、警察は、市内の28歳の男を強盗殺人の疑いで逮捕しました。捜査関係者によると、男は、家族の金を使い込んで返済に困っていた可能性があります。

花の手入れが好きで、地区の行事に積極的に顔を出す元気な人だったそうです。去年12月。原貴努代さん(当時85歳)が伊那市の自宅で亡くなっているのを、連絡が取れず不審に思った近所の住民などが発見しました。
発見当時の状況について、第一発見者がabnのインタビューにきのう応じました。

■第一発見者
「寝室の部分。そこを(懐中電灯で)照らしたら(鍵が)開いていた。『貴努代さん!貴努代さん!』と何回も大きい声で呼んだけれど返事がない。外から見て、ベッドが〝こんもり〟となっていた。ちょっと揺すってみたって応答がなくて」

警察によりますと、室内には物色されたような跡がありました。

■捜査本部会見 山越哲 刑事部長
「本日9日午前11時26分、通常逮捕しました」

事件発生からおよそ1年。警察は伊那市の整体師・橋爪亮太容疑者(28)を強盗殺人の疑いで逮捕しました。去年12月1日午後6時19分ごろから翌2日午後0時32分ごろの間、原さんの首を絞めて殺害し貯金通帳や印鑑などを奪った疑いです。認否は明らかにされていません。
橋爪容疑者はどんな人物なのか。
元・勤務先の農機具販売会社の社長は…

■元勤務先(農機具販売会社)社長
「1200万円くらい横領された。品物を持って行きその場で客に請求書を渡す。本来は振込だが、直接現金をもらっていたようだ。振込されないからおかしいと思い問いただすと、祖母が返金してくれると説明してきた」

会社を辞めた後、数十万円だけが返金されたということです。社長の話では、この会社はリフォーム業も手掛け、橋爪容疑者は殺害された原さんの自宅にトイレ工事の見積もりを届けに行ったことがあると言います。
その後の捜査関係者への取材で、橋爪容疑者は家族の金を使い込んで返済に困っていたとみられることが新たに分かりました。
橋爪容疑者は原さん名義の通帳を不正に使おうとした罪ですでに起訴されています。
ほかにも、同様の事件で逮捕・起訴されていて、2月の初公判で、検察は「だまし取った金は生活費として妻に渡したのと、母親の口座から勝手に引き出した金の補填に充てた」と主張していました。

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