本格化する淘汰の時代

長引くコロナ禍において資金繰りに窮する中小企業のために無担保・無利子で資金を貸し出す「ゼロゼロ融資」がスタート。政府系金融機関だけでは対応が追い付かなくなり、民間金融機関も融資ができるようになった。

▼しかし、昨今におけるロシアのウクライナ侵攻による影響をはじめエネルギーや原材料に伴う価格高騰、円安の進行は多くの中小企業の企業活動に対する逆風となっている。食品業界でも同様の事態を迎えている。

▼近年顕著にみられるのが採用難などにより人手を確保できずに業績が悪化するケースだ。来年の「2024年問題」では労働時間の大幅な見直しが進み、再来年の「2025年問題」では団塊の世代が後期高齢者となることから、人手不足の深刻化に拍車をかける事態となることが想定されている。

▼現在、ゼロゼロ融資の返済期限を迎え、本来であれば経営が破綻していたゾンビ企業などが続々と倒産に追い込まれている。今後は中小企業を中心に業績改善の見通しが立たない企業は本格的に淘汰される厳しい時代に突入することになりそうだ。

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