「まる」ではなく「鍵穴」でした。長野市の山中で、市民が発見したのはなんと前方後円墳。
発見のきっかけは、なんともユニークなものでした。
長野市篠ノ井塩崎。険しい山道を15分ほど登った先にそれはあった。
■長野市埋蔵文化財センター・飯島哲也 所長
「こちらになります」
こちらが今回発見された前方後円墳だというのだが…どう見ても小高い丘にしか見えない。
■長野市埋蔵文化財センター・飯島哲也 所長
「円墳の縁が円のようにありまして、その奥に前方部が伸びています。今まで円墳だと思われていた」
この将軍塚古墳の存在は江戸時代から知られており、当初から円墳とされてきた。しかし今回、長野市や上田市民の発見により、前方後円墳であることが分かったというのだ。
一体どのようにして見つけることが出来たのか?発見者の1人、林部さんから話聞くことが出来た。
■発見者 林部直樹さん
「千曲川の西側には、特に大きな川柳将軍塚古墳があって、それに続く古墳がなかったので、きっと前方後円墳があるんだろうなとは思っていた」
実はこの古墳がある善光寺平の南では、これまで7つの前方後円墳が見つかっており、調査が進めば県内でも3番目に大きなものとなる可能性がある。
そのユニークな発見方法とは?
■発見者 林部直樹さん
「今色んな地図が発達していて、地図についても結構勉強していて、その中で前方部があるなと見えたので」
なんと、林部さんは国土地理院が公開している特殊な地図を読み込み、円墳ではなく前方後円墳だと気づいたという。確かに言われてみれば古墳に見えなくはないが…
膨大な資料の中から見つけ出すことは容易ではない。
小さい頃から歴史に興味があった林部さんは、暇さえあれば地図上で気になる場所をチェックしているという。指摘を受けた専門家が調査し、前方後円墳だと確認された。
■発見者 林部直樹さん
「何気なく見ているけど気づかれていないものはたくさんあると思っていて、色んなものを見たり色んな所を歩いたり、自分の生まれこの地域をちゃんと見たい」