「現代の名工」に青木光達さん(あおき味噌社長) 技術と後進育成評価 本県100人目の受賞

みそに使うこうじを作る機械を見る青木さん。来年、父・實さんが100歳を迎えるタイミングで、県内100人目の受賞という偶然も喜んでいる

厚生労働大臣が表彰する「現代の名工(卓越した技能者)」に本年度、上越地域から、みそ製造工であおき味噌(三和区法花寺)社長の青木光達さん(63)が選ばれた。本県の受賞者としては100人目。13日に東京都で表彰式が行われる。

表彰を通じて地位と技能水準の向上を図り、技能の世界を志す若者に目標を示す目的で、1967年度に始まった制度。昨年度までに全国で約7000人が受賞している。本年度は全国で150人が選ばれた。

青木さんは東北大で応用微生物学を学び、大手しょうゆメーカーの研究所に8年間勤務。平成3年、実家のあおき味噌に戻り、父親で現会長の實さんの後継者として働き始めた。全国味噌品評会で27連続入賞を果たしている。

現代の名工としては、醸造における伝統的な技術に科学的な理論を融合させ、越後味噌の品質向上や時代に合わせた商品作りに取り組んでいること、全国でみそに関する技術講師、技能検定委員や品評会審査員を務めるなど、後進の指導、育成に尽力している点が評価された。

青木さんは「妻や社員、上越から県内まで関係者の皆さんのおかげ。みそ業界を盛り上げることができてうれしい」と感謝。「原料に良いものを使い、その良さを生かすみそを目指している。全国的にみそ蔵が減り、値段も安くなる一方なので、うちならではの商品にこだわり、地域を盛り上げていきたい」とみそ造りに懸ける思いを語った。

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