受信料の更なる値下げとガバナンス強化をと意見

 日本新聞協会メディア開発委員会は「NHK経営計画(2024-2026年度)(案)」に対して9日、「予算の編成段階では厳しい見通しを示しながら、結果、黒字となり、収支差金を繰越金に蓄積していくという構造的な課題がある」と指摘。「受信料の更なる値下げ」につなげるようNHKに意見を述べた。

 同委員会は「2018年度以降、毎年度の決算は予算から200億円以上の上振れがあり、21年度はその差額は630億円に達した。22年度は収支均衡予算だったが、決算段階で23億円の黒字を計上した」と数字をあげた。

 そのうえで「過去最高の2618億円にまで積み上がった『財政安定のための繰越金』の一部を受信料の値下げに充てるとしているが、原資をさらに確保できる余地もあるのではないか」と提起。「子会社を含むグループ全体を含め公共放送が担うべき業務範囲を明確化し、受信料のさらなる値下げにつなげるべきだ」としている。

 また同委員会は「衛星放送のネット配信予算問題によって明らかになったのは経営委と執行部の責任所在の整理などガバナンスの抜本的な改革の必要性だ」とし「ガバナンス強化の方策をより明確かつ具体的に盛り込むよう」求めた。
 
 一方で「NHKに求められる役割の基軸として『信頼できる多元性確保』への貢献を位置づけたこと、『基幹となる二元体制維持』と『メディア産業全体のために』として具体的な予算規模とともに取組む方針を示したことは適当だ」と評価し「後者について、オリジネーター・プロファイル技術研究組合への参加などの言及はあるが、より具体的に方針を示すことを求める」とした。(編集担当:森高龍二)

日本新聞協会メディア開発委員会は「受信料の更なる値下げ」につなげるようNHKに意見を述べた

© 株式会社エコノミックニュース