それぞれのペースでバリアフリーサイクリング 車いす+自転車「デュエット」や「ハンドサイクル」に15組 医師ら70人がサポート

声援を受けながらゴールする参加者=11日、本部町・海洋博公園の特設コース

 【ツール・ド・おきなわ取材班】11日に開幕したツール・ド・おきなわ。初日は各種サイクリング部門や一輪車大会が行われ、沿道からは熱い声援が送られた。時おり小雨がちらつく中、参加者たちは自然豊かなやんばる路を駆け抜けた。(1面参照)

 本部町の海洋博公園内ではバリアフリーサイクリングが開かれた。名護療育医療センターに通う家族ら15組が参加。秋風を受けながら、特設コースを笑顔で駆け抜けた。

 バリアフリーサイクリングは2006年から。当日は医師や看護師、リハビリスタッフ、ボランティアなど約70人がサポートに入っている。

 参加者には自分で自転車をこげる人もいれば、難しい人も。車いすの後方に自転車がくっついた「デュエット」か、ハンドルを手でこいで進む「ハンドサイクル」を使い、それぞれのペースで楽しんだ。

 初めて出場した国頭村の長谷川才恩(さおん)ちゃん(3)と千扇(ちひろ)さん(41)親子は「普段、自転車に乗る機会はない。風が気持ち良く、楽しく走れた」と満面の笑み。名護市の玉城麗音(れね)さん(15)は「ハンドサイクルに初挑戦した。自転車をこげるのが楽しい」と話した。

 「デュエット」に出た屋部小4年の鈴木常一郎さん(10)は「坂道はスピードが出て爽快だった。次は自分でこいでみたい」。開催当初から毎回出場している名護市の玉城良太さん(38)は「沿道の応援が本当にうれしい」と目尻を下げた。

 ボランティアとして参加する北部地域の学生も。名護商工高ボクシング部の比嘉理喜さん(18)、川端響也さん(17)、仲尾太翔さん(18)は、坂道で自転車を後ろから押して補助した。3人は「人の役に立ちたいと思って応募した。少しでも支えになれたら」と語った。

(北部報道部・玉城日向子)

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