「ペットと外出」による地域活性の可能性探り、麻布大学とティーアンドエスが共同研究

麻布大学は、株式会社ティーアンドエスと「ヒトとイヌの共生を促進する社会学調査」に関する共同研究契約を締結し、獣医学部動物応用科学科・介在動物学研究室の菊水健史教授による共同研究を開始する。ペット連れでの買い物や飲食を可能にする仕組みを組み込むことで、地域社会や地域経済の活性化につながるかどうかを調査する。

今回の共同研究では、商店街や街角におけるヒトとペットの共生、特に外出時におけるペット連れの買い物や飲食を可能にする仕組みを組み込むことによる地域社会や地域経済の活性化を調査する。調査の際、ティーアンドエスのスーツケース型ペットキャリー「iCO(イコ)※」を使用する。また、地域活性化が最終的に住民のウェルビーイングにつながるかの解析も視野に入れて展開する。

核家族化や地域社会の崩壊が進む日本では、人々の信頼や安心を形成することは生活の質の低下のみならず、不寛容、不信感による経済の萎縮や、ウェルビーイングを悪化させることに繋がると考えられている。今回の共同研究によって、ペットとヒトとの関わりを高め、地域のつながりや信頼が醸成されれば、日本社会の抱える社会課題の解決の一助となる可能性がある。

麻布大学介在動物学研究室では、動物、特にイヌの介在によるヒトとヒトのつながりの変化や信頼、安心の醸成効果の調査を行っている。現在は、科学研究費補助金基盤研究(S)に採択された「ヒトイヌ共生によるWell-beingの向上―身体・向社会性・社会ネットワークの強化との関連」において、イヌが介在することで、ヒトの安心や信頼が高まり、向社会行動を介してヒトとヒトのつながりが深まるかの社会心理研究を推進している。また、これらの心理変化が実社会において地域のネットワークや社会関係資本の強化につながるかについても調査している。

※「iCO(イコ)」はスーツケース型ペットキャリー。小型~中型サイズのイヌに対応した2サイズがラインナップされ、乗車するイヌの乗り心地と使うヒトの使用感を考えた設計になっている。普段の外出だけではなく、帰省や旅行、災害などのもしもの時の避難用品としても活用でき、イヌと“いつも一緒”にいることができる。

参考:【麻布大学】麻布大学と株式会社ティーアンドエスが「ヒトとイヌの共生を促進する社会学調査」に関する共同研究契約を締結

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