「ふん害から解放される」取扱店に客が殺到 ヤモリの忌避剤「ヤモリアロマ」を求め 84歳の店主、大反響に仰天

 5日付の沖縄タイムスに取り上げられたヤモリの忌避剤「ヤモリアロマ」が反響を呼んでいる。数少ない取扱店である沖縄県本部町伊豆味の渡口商店には、かつてない数の客が殺到し、店主の渡口節子さん(84)を仰天させた。家の「守り神」として一目置かれつつも、時に厄介者扱いされる「ヤールー」。首尾よく商品を手にした客からは「これでふん害から解放される」「救世主だ」と、期待と喜びの声が上がっている。(北部報道部・松田駿太)

 「やもりのくすりあります」。謎の張り紙が取材の発端となった渡口商店。掲載日は電話が鳴りやまず、100人以上の客が訪れた。渡口さんは「その日の午前中に30個の在庫がなくなった。午後から来た人はみんな帰したさあ」と驚く。

 その後も連日のように大勢の買い物客が訪れ、追加で届いた60個の商品もすぐに予約で埋まった。

 町内に住む中村篤子さん(70)は「愛犬の散歩中、いつも張り紙が気になっていた。新聞を見て買いに来た」と興味津々な様子。在庫切れと聞き「早く薬をゲットしてヤモリがいなくなってくれたらうれしい」と待ちわびていた。

 古堅あや子さん(71)は数少ない在庫を取り置きすることに成功。「本当は5個欲しかったけど、せっちゃんねーさんにお願いしてやっと2個手に入れた。これでふん掃除から解放される」とにっこり。追加で来月分の10個を予約して帰っていった。

 名護市でパン屋を営む古我知章さん(75)は、電話で予約した2個を取りに来た。「昼間は隠れているが、夜になると店の食材倉庫にヤモリが来てしまう。これは救世主です」と期待した。 手作りでヤモリアロマを製造する北中城村の西村義人さんは「新聞掲載以来、千個以上の注文が入り、11月分はなくなってしまった。12月に向けて生産を急いでいます」と話した。アロマの注文はメールyo441037@gmail.com

報道後、渡口商店には多数の客が訪れている。渡口節子さん(左)が「12月までは在庫切れです」と説明していた=8日、本部町伊豆味
反響を呼んでいるヤモリアロマ。容器にスティックを挿して利用する

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