「戦争の悲惨さや命の大切さを学ぶ」 小学校で被爆体験伝承者が子どもたちに伝える

 イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘やロシアのウクライナ侵攻など世界で悲惨な戦争が続いている中、被爆者に代わって体験を語り継ぐ伝承者が宇都宮市の小学校を訪れ、戦争の恐ろしさや命の大切さを子どもたちに伝えました。

 宇都宮市の平石北小学校の6年生の教室を訪れたのは、広島市在住の忍岡妙子さん75歳です。

 戦後の生まれで小学校の教諭を退職してから修学旅行のガイドなどを経て、4年前から被爆体験伝承者として活動しています。

 被爆者本人の高齢化が進む中、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は、被爆者の体験を語り継いでいく「被爆体験伝承者」の育成を行っていて、全国各地に派遣しています。

 忍岡さんが話したのは、在日韓国人2世のパク・ナムジュさんの被爆体験です。

 パクさんは当時、女学校の1年生で電車に乗っていて被爆しました。

 在日韓国人2世ということから、被爆後も日本人から差別を受け、仕事も制限されていたといいます。

 広島の外に避難することもできず、家族は原爆の放射線によるがんで次々と倒れていきました。

 忍岡さんはパクさんの話を通じて、2度と核兵器の使用は行わず戦争を起こさないよう子どもたちに呼びかけていました。

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