川崎で介護していた長男放置死、父親が無罪主張 監禁は認める 横浜地裁で初公判

横浜地裁(資料写真)

 川崎市麻生区の自宅で2021年、介護していた長男=当時(37)=を拘束し、死亡させたとして逮捕監禁と保護責任者遺棄致死の罪に問われた、父親で無職の男の被告(71)の裁判員裁判の初公判が14日、横浜地裁(足立勉裁判長)であった。被告は逮捕監禁罪を認める一方、保護責任者遺棄致死罪については「医師の診断を受けなければならない状況と思っていなかった」などと否認し、無罪を主張した。判決は28日に言い渡される。

 検察側は冒頭陳述で、長男は大学中退後、自宅に引きこもり、被告や母親に暴力を振るうようになった上、医師から統合失調症の疑いを指摘されたと説明。長男が全裸で外出した21年5月、被告は長男の両手足を拘束し始めたとした。その3カ月後、長男が階段から滑り落ちた後、脳出血を起こして体を動かせない状態になったのに必要な医療措置を受けさせず、床ずれ部分からの感染を起こして死亡させたなどとして「態様は悪質で結果は重大」と指摘した。

© 株式会社神奈川新聞社